【BUBKA1月号】大森靖子×吉田豪 「生きてるほうがマシ」

超歌手・大森靖子が12月9日にニューアルバム『Kintsugi』をリリース。ここ最近は、以前にも増して早いペースで作品を生み出してきた一方、彼女の身辺では「コロナ禍」に関係なくさまざまなことが起きていた。大森靖子が曲を作り、今を「生きる」理由を、プロインタビュアー・吉田豪が迫ります。

作ることが癒やし

―― ニューアルバム無茶苦茶よかったです。

大森 やったー!!うれしい。

――これまでの大森さんのアルバム史上、トップクラスで好きですよ。これ、なんなんですかね?

大森 ふつうに自分の思ったことを書き始めたからだと思います。売れるとかわかりやすくとかは全部ZOCに振り切ったんで、自由に作ろうと思って。自分なりの邪気みたいなものを振り払って。世の中的には私のアルバムのほうが邪気みたいに見えると思うんですけど、私の純粋みたいなものを全部自分のアルバムでできるようになったって感じです。

――たしかにそんな気がします。いままでも大森さんらしさは出てはいたけど、ストレートに出すのは意外と避けていたというか。

大森 避けてました。ストレートに出したのにわかられなかったほうが苦しいし、ちょっとバズる曲も入れないと、みたいな(笑)。

――どうすれば世間に合うのか、みたいなことを探り探りやってきた人なんですよね。

大森 やってました。

――大森さんのブログに読み応えが出てきたときは大森さんのメンタルがヤバいときってボクはずっと言ってるんですけど、それに近いものを感じたというか。大森さんの作品がこんなにストレートによくなるのって……。

大森 ああ、ブログも書けなくなったし。

――これは、あきらかに弱るようなことが相次いでいた時期ではあるからなのかなって。

大森 そうですね。でも、作ること自体に癒やされてました。なんで一番力を入れてやっているはずの仕事がこんなに一番平和なんだろう、みたいな。レコーディングの現場が平和すぎて、音楽っていいな……みたいなふつうの気持ちになってたんですよね(笑)。

――今年なんて、ふつうのアーティストでも誰もが弱ってた時期なわけじゃないですか。

大森 その弱ってるポイントみたいなのも自分にとっては逆に平気だったポイントかな。

―― コロナ関係なくやられたタイプという。

大森 まったく関係ないです。もちろん、ライブができないのは大きいんですけど。

――そこに踏み込みたいんですけど正直、今日はどこまで聞いていいのかわからなくて。

大森 今日は誌面だからなんでも大丈夫です。ここでは全部しゃべろうと思って、あとはずっと気を張ったインタビューで(笑)。

スタッフ ただ、いくらしゃべってもいいけどそれでも載せられないこともあるから(笑)。


ーーインタビューの続きは絶賛発売中のBUBKA1月号にて!


大森靖子
超歌手。新少女世代語彙力担当。1987年生まれ、愛媛県出身。美大在学中に音楽活動を開始。弾き語りライブが口コミで話題になる。2014年、エイベックスよりメジャーデビュー。自らが“共犯者”としてメンバーと共にステージに上がりながらプロデュースを手がける「ZOC」を2018年に結成。