【BUBKA7月号】『Rの異常な愛情──或る男の日本語ラップについての妄想──』「韻踏合組合の韻革命」(完結編)

CreepyNutsのMCとして活躍するR-指定が日本語ラップを語り尽くすイベント『Rの異常な愛情 ──或る男の日本語ラップについての妄想──』。今回は「韻踏合組合」完結編。誰も踏んだことがない韻、聴いたことがないフロウでアメ村から全国へその名を轟かせた最強韻踏集団の初期を総ざらいします!

写真/岡本武志


ラップスキルの見本市

――3回にわたる「初期の韻踏合組合特集」、その最終回です。

R 『critical11』の〝HEAD BANGER〞は、まさにHEAD BANGERZ色が出た曲ですね。ラップはもちろん、ビートにもやんちゃなハード感が出てて、ローライダーっぽさを感じるんですよね。このサビのピアノの音階が上がってくるのもちょっと不良っぽいでしょ?(笑)。そういうG‐RAPっぽい雰囲気があるのに、ライミングは韻踏印で、口に出してみるとすごく気持ちいいんですよね。例えばHIDAさんの〈三か七転び八起き 参加型の/この病気〉の「び八起き」は「びゃーおき」と発音することで「病気」と踏めるっていう。がっつり子音踏みじゃないけど、口に出すと踏める、音として完全に踏めているから、フロウとして気持ちいい。〈もうむせてきたんならto the Breakdown〉もHIDA印の踏み方ですね。このあとの遊戯さんはフロウの手数がすごい多いですよ。〈バース2熱くかつぐ58からドンパチY.O.U.G.I〉でのスピードの緩急とか、意識的にいろんなフロウにチャレンジしてる。その後のインタビューで、「韻踏で一番フロウが好きってよく言われます」って言ってたりして、それぐらい意識的に、言葉遊びっていう面もちゃんと大切にしつつも、音のノリとかグルーヴみたいなところを意識されてて。

――サーファーだからっていうのもあるんじゃない? 身体が波のグルーヴを……とか適当なこと言いますが(笑)。

R ほんまですか?(笑)。次はNOTABLE MCで〝ノータブルーム〞いきましょう。この曲でのAKIRAさんのフロウも面白いですね。なんというか「言葉にリズムがある」というか。例えば〈ただただ危険と… 疲れ癒すこれ肩叩き券〉の部分みたいに「ずらし」が超上手いですよね。「こう来たらこう来る」みたいなセオリー通りのところであえて踏まない。JAY‐Zの韻よろしく、ちょっとずらすんですが、それがすごく上手いですよね。

――それはトラックメイカーとしての感覚から生まれるものかもしれないね。

R 多分そうですね。ビートメイカーゆえのリズム変態というか、「ドラムはこう刻んでるから、ラップはちょっと変なところに韻を置いたほうがグルーヴが生まれるやろ」って意識が生まれるのかなって。だから韻の設置が意図的に気持ちいい不規則というか、規則的な不規則な場所にあることによって、「それ欲しかった!」っていうずらし方が生まれてて。そして一方OHYAさんは、フロウがメロディに変換できるんですよね。後にソロになってだるまさん名義でアルバムを出した時に、その精度がもっとあがって。

――単にノリで気持ちいいメロディアスなフロウをするんじゃなくて、ちゃんとコードに当てたり、意識的にメロディとして、譜割りとしてフロウを組み立てるというか。

R だからこそ、全編に渡って歌ったりする曲もすっと作れるんやろうなって。次はMINTさんの〝転校生〞を聴きましょう。これはMINTさんの「振って即落とす」というリリックの特性が全開に出しているヤバい曲です(笑)。


――インタビューの続きは絶賛発売中のBUBKA7月号にて!


R-指定
大阪府出身のラッパー。DJ松永とCreepy Nutsとして活動中。高1から梅田サイファーに通い、バトルやライブ活動を開始。2012年からMCバトル全国大会UMBで3連覇を成し遂げ、「フリースタイルダンジョン」の2代目ラスボスに選ばれる。2020年11月にはCreepy Nuts初の日本武道館ワンマンライブを成し遂げた。