【BUBKA12月号】酒場ライター・パリッコ直伝 こんな時だからこその晩酌革命

「ZOOM飲み」やテイクアウトご飯など、コロナ禍で様変わりした飲食を取り巻く環境。10月からの酒税法改正では安価な「第3のビール」などの値上がりで、家計にもささやかな打撃が。生活を彩る「お酒」との向き合い方が変わってしまうのかも……。

でも、心配ご無用! 若手飲酒シーンの旗手・パリッコ氏に美味しい・楽しい・安全の三拍子が揃ったお酒の飲み方を聞いてきました。

酒飲みはつらいよ

――(池袋の居酒屋にて)すいませ〜ん、生ビール3杯お願いします! さて今回は酒税法が改正されたということで、パリッコさんに居酒屋で飲みながら、今年の飲酒シーンについていろいろうかがいたいんですが……。

パリッコ(以下、パ)  実はあんまりよくわかってないんですよ……普段からぼーっとお酒買ってるから(笑)。今回の改正で、第3のビールとかワインは税金が上がって、ビールとかは安くなるんですよね?

――そうですね。段階的に上がっていって、チューハイなんかは今回は上がらないけど2026年には増税する流れです。

 ビールは居酒屋で一杯目に生を頼むくらいで、家ではあまり飲まないんですよね。最近は自宅だともっぱらプレーンチューハイばっかりで。

――では個人的にはあまりダメージはない。

 こっそり喰らってるのかもしれない。この先6年後には焼酎も税金上がりますけど、そのころには体もおかしくなって、飲めなくて酒量も減ってると思うんですよね(笑)。帳尻が合う!

――体力の低下と増税が重なると(笑)。

 先のことはあんまり考えてないですからねえ。9月末に「増税前にまとめ買いを!」とかスーパーでやってたじゃないですか? ああいう「先にやっとけばお得!みたいなのが僕出来ないんですよ。節税とかふるさと納税とか。

――まあ、酔っぱらいってそういうところに細かいイメージは沸かないですね(笑)。

 毎月家で飲む酒代が「お父さんこれだけね!」とか決められてて、「自宅で飲むビールの一杯が本当に大切、そこは譲れない!」って人には、本当に今回の改正は大問題なんでしょうけど。「一年トータルしたら、これだけ多く飲める!」って数字出されたりすれば、なるほどなあって感じるんでしょうけどね。といって倉庫いっぱいにまとめ買いするわけにいかないし。

――思うところがある人はいるんでしょうけど、だからといって、あんまり改正について怒りとかも聞かないですよね。「酒税法反対デモ」とか聞いたことないし。

 デモはないな〜、酔っぱらいがへらへら道歩いてるとか楽しそうですけど(笑)。あんまり聞かないですよね、お酒の云々で怒るって人。やっぱりみんなお酒のことって後ろめたさがあるんで、「われわれ酒飲みは虐げられても仕方ない」って思ってるんですよね。

――酒飲みはあまり拳は上げない(笑)。

パ ただ、メーカーの人は大変だと思います。第3のビールとかストロングゼロとかも、酒税の関係で抜け道として生まれた時代の徒花みたいな酒だって言うじゃないですか。せっかく安いのを作ったのに、結局税金上げられては困りますよね……。


――インタビューの続きは絶賛発売中のBUBKA12月号にて!


パリッコ
1978年、東京都生まれ。酒場ライター。ほか、DJ、トラックメイカー、漫画家など。酒好きが高じ、2000年代後半より酒場やお酒に関する記事を多数執筆している。『酒場っ子』(スタンド・ブックス)、『晩酌百景』(シンコーミュージック)、『酒の穴』(シカク出版、スズキナオとの共著)など、著作多数。