【BUBKA12月号】話題の著者に直撃取材! 第24回 室橋裕和 「ルポ新大久保 移民最前線都市を歩く」

ブブカがゲキ推しする“読んでほしい本”、その著者にインタビューする当企画。第24回は、『ルポ新大久保 移民最前線都市を歩く』の著者である室橋裕和氏が登場。日本に存在する外国人コミュニティの中でも、とりわけ異彩を放つ新大久保。実際に暮らして体感した“世界の隅の最先端”、その魅力を聞いた。

徒歩圏内でインフラ完備

――室橋さんが日本に帰国されたのは今から6年前。約10年間タイで暮らし、その間、日本も様変わりしました。浦島太郎状態ではないですが、本書の中で「日本で暮らす外国人の多さに驚いた」と付記されています。

室橋 帰国してみると、当たり前のように外国人がコンビニで働いていました。僕がタイへ行く前は、外国人というと中国人や韓国人のイメージが強かったのですが、東南アジア、南アジア、中近東、こういった方々が増えていることに驚かされました。

――前作『日本の異国』で、西川口の中国人コミュニティ、竹ノ塚のリトル・マニラなど日本の外国人コミュニティを取材されています。そういった取材を重ねていく中で、新大久保と巡り会ったのでしょうか?

室橋 そうですね。タイにいた当時、僕も外国人だった。バンコクの中にある日本人コミュニティを中心に暮らしていて、そこには在タイ日本人向けの食材店やレストランなど、さまざまなサービスがあふれていました。例えばプロンポンは、日本語だけでやりくりができてしまう生活圏が存在していて、僕みたいな現地採用の人間もいれば、正体不明の怪しい日本人、留学生、風俗店を経営してる日本人――多様な日本人がいた。日本にも〝プロンポンの外国人バージョン〞があるのかなと興味を覚えて、いろいろと周るようになり、新大久保と出会いました。多人種多宗教多国籍が混在していて、どこの国にいるか分からない雰囲気が面白かった。そして、タイにいたときのような懐かしさを覚えました。ラクだなって(笑)。取材もすることを考えると、最もごちゃごちゃしていて、外国人コミュニティとして規模の大きい新大久保に暮らしてみるのは面白いのではないかと。それで今から3年前に移り住むことにしました。

――読んでいて印象的だったのは、新大久保には出稼ぎ外国人が各国に送金できる送金会社が乱立していたり、保証人がいなくても外国人が入居できるための「外国人専門の家賃保証」サービス会社などがあること。外国人のライフラインサービスが、これほどまでに多様化しているとは思いませんでした。


――インタビューの続きは絶賛発売中のBUBKA12月号にて!


室橋裕和
1974年生まれ。週刊誌記者を経てタイに移住。現地発日本語情報誌『Gダイアリー』『アジアの雑誌』デスクを務め、10年に渡りタイ及び周辺国を取材する。帰国後はアジア専門のライター、編集者として活動。「アジアに生きる日本人」「日本に生きるアジア人」をテーマとしている。おもな著書は『日本の異国』(晶文社)、『おとなの青春旅行』(講談社現代新書)『海外暮らし最強ナビ・アジア編』(辰巳出版)など。