【BUBKA2月号】 輝け!BUBKAアワード2020-2021 宇野維正
コロナにより勢力図が変化
テレビシリーズ・ベスト10
決定的な転換期に突入
昨年に続いて、今年も2020年に日本で配信・放送されたテレビシリーズの年間ベスト10を。昨年は「海外テレビシリーズ」としましたが、国内のテレビシリーズを入れてもほとんど順位は変わらないので「海外」の縛りはとることに。念のため、テレビシリーズというのはドラマ、コメディ、アニメ、ドキュメンタリーなどすべてをひっくるめたテレビで配信・放送されるシリーズの総称として、映画(ムービー)に対して海外で一般的に使用されている言葉です。「海外ドラマ」みたいなカビ臭い言葉が流通しているうちは、『24』を20年後にリメイクするという罰ゲームのような企画が平然と通ってしまうポップカルチャー後進国のままです。
改めてランキングを見渡して、昨年と比べて大きく違うのは、何シーズンも続いているテレビシリーズよりも、1シーズンで完結するいわゆる「リミテッドシリーズ」が幅を利かせているところ。これは自分の嗜好の変化というわけではなく、近年、作品数の比率としても顕著になってきた傾向。少しでも新規の契約者を獲得したいストリーミングサービス各社、一つのシリーズに何年も拘束されるのを嫌うクリエイター、作品数の増加もあって何年も同じシリーズに付き合っていられなくなった視聴者、それぞれの利害が一致してこうなっていったのでしょう。ベター・コール・ソウル シーズン5(Netflix)のように、前作『ブレイキング・バッド』から数えると13年(2021年に完結予定)にも及ぶサーガと「共に生きていく」という体験は長編テレビシリーズの醍醐味なんですけどね。
ーーインタビューの続きは絶賛発売中のBUBKA2月号にて!
うの・これまさ
1970年、東京都生まれ。映画・音楽ジャーナリスト。著書に『1998年の宇多田ヒカル』(新潮社)、『くるりのこと』(新潮社)、『小沢健二の帰還』(岩波書店)、『日本代表とMr.Children』(ソル・メディア)、『2010s』(新潮社)など。現在、映画関連の著書を2冊同時に準備中。
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