【BUBKA2月号】 アニメ兄弟 第5回 アニメでケンカすんな ゲスト=上坂すみれ

「やってます?」と暖簾をくぐるような気軽さで高田馬場にやってきた、超人気声優の上坂すみれ。なぜだか、あまりアニメの話をする機会がないということでアニメにしぼってじっくり聞かせてもらおうと思いました。が、色々と深すぎてこの文字数だと第二層ぐらいです。

「萌え」とは何か

スタイリスト森(以下、森)  上坂さん、出てくれてありがとう!

編集部・並木(以下、並)  『BRODY』(12月号/小社刊)に続いてありがとうございます。

上坂すみれ(以下、上)  今日は会議室なんですね。ちゃんとした取材みたい(笑)。

 取材っていうか、アニメに関しての雑談みたいなもんだから(笑)。

 最近の上坂さんは、アニメや声優業以外の面でのインタビューが多いですよね。

 そうなんです。声優ぽい話を全然振られない(笑)。でも、私も「アニメ命!」な方ほどではないにしても、やっぱり声優を志してやってきたわけですからアニメは大好きなんですよ。ただ、アニメの楽しみ方が……ちょっとサブカルから見てる感じはあるなって思っていて。

 サブカルから、というのは?

 私は今やっていないアニメが本当に好きなので、事前にお伝えさせていただいた『装甲騎兵ボトムズ』も『美味しんぼ』もそうですが、当時のアニメってその時代の空気を反映させているというか。『美味しんぼ』のオープニングの曲なんてトレンディドラマみたいで、「これって栗田(ゆう子)くんの恋の話なのかな?」って感じなんですけど、そういう80年代アニメのオープニングとエンディングの内容と乖離している感じが大好きです。

 あー「楽しむ」というより、能動的に「面白がる」ってことですね。実にBUBKA的な(笑)。

上 『ボトムズ』も、舞台が急に変わって突然重要っぽいキャラクターが死んでしまったりとか、「こまけぇことはいいんだよ!」的な。夕方に放送されていたとは思えない感じが大好きですね。キリコ(・キュービー=主人公)も本当にかわいくて。

森 今だとあんまりいないタイプだよね。結構冷静で。

 冷静なくせに、モノローグでは「オレは友情というものに気づき始めているのだろうか」 とか、意外と思春期っぽいところがあったり。どことなくツメが甘くて凡ミスが多いのも好きですね。楽しみ方はそれぞれ違うと思うんですけど、私は初めて観たのが『ペールゼン・ファイルズ』というOVAシリーズの劇場版だったんです。そのオープニングでCGでぞろぞろ動いているAT(アーマード・トルーパー)が、なんだこの弱そうなやつらは!って(笑)。

 オレも今回観直したんだけど、ガンダムと同じ時代とは思えなかったよ。

 きっと、当時はアメリカのミリタリー映画がいっぱいあって、小さい映画館とかでそれを観ていた青年たちがこういうリアル路線を推し進めたんじゃないか……とか想像してみたり。オープニング曲の『炎のさだめ』も大好きなんですけど、あんな渋い歌にひらがなで歌詞のテロップつけたところで……。


ーー続きは絶賛発売中のBUBKA2月号にて!


並木愼一郎
編集ネームはゾンビーノ。現在は乃木坂46をはじめアイドル全般の企画を担当。2017年には女性声優メインのグラビア&インタビュー誌『VOICEBRODY』(弊社刊)を立ち上げる。小学生時代はあかほりさとる作品にハマり、日々イラストを模写していた。

森俊輔

1987年10月1日生まれ。Hifumi,inc.所属のスタイリスト。乃木坂46の衣装製作や数多くのアイドルのスタイリングを務める。近年では物語フェスでステージ衣装をデザインしたり様々なアニメ作品にも関わっている。担当編集の並木とはほぼ毎日電話をする仲。


上坂すみれ

うえさか・すみれ。声優/ 歌手。12月19日生まれ、神奈川県出身。2012年に本格的声優デビュー。代表作に『いわかける! ―Sport Climbing Girls―』笠原好役、『スター☆トゥインクルプリキュア』キュアコスモ/ユニ役、『アイドルマスター シンデレラガールズ』のアナスタシア役など多数。歌手としてはこれまでに10枚のシングル、4枚のオリジナルアルバムをリリース。ソ連、ロシア、ロリータ、三国志、昭和、メタルなどに造詣が深く「趣味は多ければ多いほうがいい」を体現している。最近の愛飲酒はシャンパン。愛称は「すみぺ」。