【BUBKA6月号】アイドルクリエイターズファイル #6 キムヤスヒロ×ALI-KICK

tofubeatsに無茶振り

――今回はlyricalschoolプロデューサーのキム・ヤスヒロくんと、作詞作曲として作品制作に参加しているラッパー/トラックメイカーのALIKICKくんに話を伺えればと思います。まずリリスクが「ヒップホップアイドル」という打ち出しをしたことが、アイドルシーンの中で「ラップアイドル」というカテゴリーが成立した嚆矢になったと思いますが、そのキッカケは?

キム 学生時代に友人と作ってたフリーマガジンの企画がリリスク、当時はtengal6がスタートしたきっかけだったんですが、そこで「ラップする、ヒップホップをベースにしたアイドル」っていうのがアイディアとして浮かんだんですよね。そのコンセプトは武器になると思ったし、スタイリングを含めたビジュアルがまで浮かびやすかったっていうのが一つ。それから、ハロプロが好きだったんで、タンポポの『BE HAPPY 恋のやじろべえ』とか……。

――Salt5の『GET UP! ラッパー』とか。

キム そういうイメージもあって。あと、友達の女の子とかとカラオケに行って、女の子がラップしてるのめっちゃかわいいなぁと思ってて(笑)。そういうピュアな学生の想像がキッカケです。それでメンバーをオーディションで選んで、自主でアルバム『まちがう』(2011年5月7日リリース)を制作して。

――『まちがう』の全国流通盤(11年7月15日)のディストリビューションは、過去にはスチャダラパーやRHYMESTERを輩出し、ALIさんのユニットRomancrewもリリースを行っていた日本語ラップの名門レーベル「FileRecords」が手掛けました。

キム 当時ファイルで働いていた桑田さんが興味を持ってくれて。

ALI‐KICK(以下ALI) 桑田くんも面白がってた。

キム SEEDAさんを始めとするヒップホップのアーティストを担当した後、新たに面白いものを探してたら、ラップするアイドルがいた、前を探したら後頭部から殴られた気持ちだったって(笑)。

――同年の10月28日には『プチャヘンザ!』がリリースされます。この曲でtofubeatsをフルプロデュースに迎えたのが、リリスクの一つの転換点だったと思います。ただ当時のtofuくんは超注目株ではあったけど、今ほど高名な存在では無かったし、外部プロデュースの経験もなくて。

キム 僕らも全面プロデュースのオファーは初でした。もともとマルチネ(レコーズ)界隈やtofuくんの曲が好きで、それでマルチネのイベントに遊びに行った時に知り合って。それでシングル制作のタイミングでオファーしたんですよね。理由は単純で、めっちゃいい曲を作る人だったから。かつ、ヒップホップとアイドルの両方に理解がある人だったっていうのもありますね。でも当時のオファーの仕方はマジで雑だったと思います。「名曲を作ってください」ぐらいで。そうしたらtofu君がいい曲を作ってくれたっていう感じです(笑)。


――インタビューの続きは絶賛発売中のBUBKA6月号にて!


キムヤスヒロ(左)
1988年生まれ、東京都出身。2010年、学生時代に友人と制作していたフリーマガジン企画のなかで、lyrical schoolの前身グループtengal6を立ち上げ、同グループのプロデューサーに。作詞やMVの映像制作なども行っている。

ALI-KICK(右)
ヒップホップユニットRomancrewのMC・トラックメイカー。KREVA、サイプレス上野とロベルト吉野、TARO SOUL、韻踏合組合、SHINGO☆西成、童子-T、久保田利伸、ヒプノシスマイクなど数多くのアーティストへ楽曲提供も行っている。