【BUBKA9月号 緊急特集の理由】欅坂46『アンビバレント』MVが示す革命の原点


欅坂46が今どこにいるのか、これからどこへ向かうのかは、人それぞれ様々な意見があるだろう。つまり未知数。

 ただ、原点だけは明確だ。2年前の冬に撮られた、4分26秒のミュージックビデオから全てが始まり、あの瞬間からこのグループは他のアイドルグループとは一線を画す存在になったと思っている。

 だからこそ、このグループの何を観るべきなのか、このグループにとって何がいちばん大切なのかと問われれば、「シングル表題曲のMV」だとBUBKAは答えよう。

 また、欅坂46ファンの多くが「一挙手一投足にハラハラドキドキしたい、でも安心して彼女たちを応援したい」という、「アンビバレント」な感情を持っていると思うが、そのどちらの欲求も完全な形で満たしてくれるのは、毎回こちらを驚かせてくれる新しい何かがあり、お約束とも言えるおなじみの演出がしっかりと存在するMVという世界の中であると、声を大にして言いたい。


 そして、この夏も欅坂46に「傑作」と呼ぶにふさわしい新たなMVが誕生した。


 真ん中にいるべき人がしっかりと存在し、躍動し、自問自答を繰り返しながら表現する。そんな姿に触発されて仲間たちが全力で応える。大人たちは知恵を振り絞り技術を駆使しながら、正解へと導いていく。それはあの渋谷の寒い夜空の下で重機に囲まれながらスタートし、今まで何度も繰り返されてきた光景だ。

 どんなに迷い、悩み、回り道をしたとしても、この光景だけはどんな時も変わらなかった。欅坂46は何度でも必ずこの場所に戻ってくる。そのことからも、このグループにとって「シングル表題曲のMV」がどれだけ大切なのかわかっていただけるだろう。だから、BUBKAは緊急特集を行うことを決めた。


 欅坂46が、原点に帰ってきた。そして、また動き出す。


撮影●上山陽介