【BUBKA 9月号】 欅坂46 『アンビバレント』 グループ史上最も難解な傑作MVはどのようにして誕生したのか? 新宮良平監督 独占インタビュー 「この3年間の集大成だと思って観てもらえたら嬉しい」
8月15日発売の欅坂46の最新シングル曲『アンビバレント』。
同曲のMVを一度観ただけで理解するのは、かなり難しいと思う。
シーンによっては様々な意図が複雑に折り重なっているような箇所もあるからだ。
それぞれの演出が持つ意味。
そして、このMVが誕生するに至った経緯。
それらを理解した上で、もう一度この傑作を観てもらうために、この特集を行なった。
平手への問いかけ
――今回は新作『アンビバレント』のMVについて、とことん語っていただこうと思います。新宮監督はこれで『二人セゾン』『不協和音』『風に吹かれても』『ガラスを割れ!』に続き表題曲のMVを5曲連続で監督されました。タイトルの『アンビバレント』はあまり聞きなれない言葉ですよね。
新宮 『アンビバレント』は心理学でよく使う言葉らしくて、二面性という意味なんです。例えば「人と一緒にいたいけど、いたくない」とか、思春期の跳ね返りに近くて、褒められると「うるさい!」って言っちゃうような。「お前なんか嫌いだ」と言っても、いざ相手が離れたら「ちょっと待ってよ一人にしないで……」みたいな。
――あぁ……僕も幾度となく経験しました。1つの出来事に対して、相反する考えが出てくるんですよね。
新宮 Dメロで〈二律背反〉という言葉が出てくるんですけど、それも要するに矛盾のことを指していて。この言葉を説明するときによく使われる文章で、「私は常に嘘を言う」という一文があるんですけど、パッと聞いてどっちが本当かわからないじゃないですか。嘘を言うのが本当なら本当だし。
――どちらが真意なのか判断が難しいですね。
新宮 そうなんです。他にも「。が最初につく文章はありません」という言葉がありますよね。でも、それ自体が1つの文章として成り立っているわけで。だけど、実際に「。」から始まる文章はない。そういう両方ともあり得るけど、共存はできないものだったり矛盾を彼女たちが歌っているのが、今作の『アンビバレント』です。MVの主人公を担っている平手(友梨奈)さんは、この撮影を行なっている時に17歳になり、今までの楽曲も彼女の成長に合わせて歌詞世界が進んでいる感じがしていましたけど、今回もまた1つフェーズが変わったような気がして。だから今までのMVとは訴求するポイントがまるで違うように感じました。「ガラスを割れ!」の攻撃的なものから段々自己矛盾を言えるようになっていて。
―― 写真、インタビューの続きは絶賛発売中のBUBKA 9月号にて!
しんぐう・りょうへい●1983年生まれ、京都府出身。映像ディレクター。EPOCH Inc.所属。BNN映像作家100人2015選出。MVA 2015 BEST VIDEOS 50 選出。MTV VMAJ 2015 Best new Artist Video 受賞。ダイナミックなVFX表現やエモーショナルなハイスピード表現で幻想的な世界観や映画的ビジュアルを巧みに描き出す。欅坂46のシングル「不協和音」「風に吹かれても」「ガラスを割れ!」等のMV監督を担当し、度々登場する「カモメ」などの隠しモチーフはファンの注目を集める。
0コメント