【BUBKA 1月号】話題の著者に直撃取材!! BOOK RETURN 第二回 マシンガンズ 滝沢秀一 「このゴミは収集できません ~ゴミ清掃員が見たあり得ない光景~」

ブブカがゲキ推しする“読んでほしい本”、その著者にインタビュ―する新企画が先月号からスタ―ト! 

第二回は『このゴミは収集できません~ゴミ清掃員が見たあり得ない光景~』を上梓した滝沢秀一氏が登場。

お笑いコンビ「マシンガンズ」として活動するかたわら、ゴミ清掃員として働き続ける氏が語る「ゴミは裏切らない」という真理と心理とは!?

芸人の夢、清掃員の現実

滝沢 実は俺、白夜書房さんへ清掃員として粗大ゴミを回収しに来たことがあるんですよ! まさかゴミを回収しにきた会社から自分の本を出すことになるとは思わなかったなぁ。

――そんなエピソ―ドト―クができる人は、滝沢さんしかいませんよ(笑)。著書の中でも触れているように、ゴミから紡ぎ出される人間ドラマを、滝沢さん自身が体現しているというか。

滝沢 ゴミには、人間の業が詰まっていますからね。ゴミは嘘をつかない! 富裕層が暮らすエリアに行くと、ダイエット器具や健康グッズ、テニスボ―ルなどがゴミとして出されている。嗜好品や自己投資に費やしたであろう品々がゴミ化している。対して、その逆の人たちが住むエリアでは、カップラ―メンなどの空き容器が多かったり、たばこの吸い殻が目立ったり……ゴミを通じて、人間性や地域性が見えてくる。

――清掃員ならではのプロファイリング。そもそも、滝沢さんが清掃員をはじめたきっかけは、知人からの紹介だったんですよね?

滝沢 あまりにお金がなくて、元芸人仲間に片っ端から電話したところ、「いつからでも働けるよ」と。実際、働いてみると相当融通が利くお仕事でビックリしたくらい。ゴミ清掃員は常勤と非常勤に分かれるのですが、前者はメンバ―も回収地域も固定されている人たち。俺を含む後者は、シフト制で常勤のサポ―トをするため、メンバ―も回収地域も固定されていません。

――シフト制ということは、週1~2回でもいいということですか?

滝沢 そうなんですよ。さすがに、「今週は1回、来週は4回」というような働き方は厳しいですが、基本的に人手不足なので、非常勤は融通が利きやすい。プロボクサ―の傍らゴミ清掃員、居酒屋経営の傍らゴミ清掃員、俳優の卵のゴミ清掃員などなど、"ゴミ清掃員なのに人材の宝庫”という奇妙な現象が広がっています。イケメンも多いので、近い将来、『ゴミメン(=ゴミ清掃イケメン)』を集めてカレンダ―を出そうかなと。ゴミメンの総監督として、ゴミに対する普及活動をさまざまな形で伝えていきたい。

――聞けば聞くほど、知らない世界ゆえに目からウロコです。ちなみに、お金ってどれくらいいただけるものなのでしょう?

滝沢 一日一万円です。ドライバ―さんは運転の責任を追うので、俺たちより高い。時給ではないので早く回収し終えれば、その分、他の時間にあてることができます。日払い、週払い、月払いと選ぶこともできます。

――最高じゃないですか。すごく魅力的な仕事に思えてきた。

滝沢 そうでしょ? 魅力的でしょ? でもね~ これだけ聞くと、「楽しい仲間たちと和気あいあいの職場で働きませんか?」みたいな感じですけど、実際に働くと大変な一面もあるんですよ。夏は猛暑の中、ずっと動きっぱなしだし、冬は凍えそうなほど寒い。ゴミ汁がかかることもあれば、理不尽なクレ―ムをつけられることもある。2~3年はしんどかったですね。


――インタビューの続きは絶賛発売中のBUBKA 1月号にて!


たきざわ しゅういち
1976年、東京都生まれ。1998年に西堀亮とお笑いコンビ「マシンガンズ」を結成。「THE MANZAI」2012、14年認定漫才師。2012年、定収入を得るために、お笑い芸人の仕事を続けながらもゴミ収集会社に就職。2013年、電子書籍大賞双葉社賞受賞作『鬼虐め』を改題した『かごめ かごめ』で小説家デビュ―。今現在も、ゴミ収集中の体験や気づきを発信したツイッタ―が人気を集め、話題を呼んでいる。