【BUBKA 2月号】輝け! BUBKAアワード2018-2019 伊賀大介[スタイリスト]『衝動を脳に刻んだ読まなきゃ損する12+1冊』

平成最後の年末、BUBKA アワード開幕。今年も各ジャンルのスペシャリストが一年を振り返りながら、それぞれの得意分野を総括!


掟さんの『バイト列伝』はまさに現代の無頼派

ダイナマイト・キッドの自伝は殿堂入りの一冊

復刊希望です!

 今年は『男の!ヤバすぎバイト列伝』(掟ポルシェ)がすごかったですね。読み進めていくのが止まらないドライブ感がある文体で、自らの周辺の捻れた境遇を、美化も卑下もせず「生きよ墜ちよ」を地でいくような、(坂口)安吾かよ!という(笑)。現代の無頼派なのでは、とマジで思いました。シンセサイザーの買い替えや、90年代初頭の女子プロ対抗戦から借金地獄が始まるとこも最高!! 最後の「整理屋」のくだりでは、それまで客観で見てゲラゲラ笑っていたのに「ホントにヤバいんじゃないの?」って思ってからの大逆転で、「芝浜」みたいな大根多の落語を聞いてるような感じでした。(立川)談志じゃないですが、ある種の「業の肯定」を感じて、すごくやる気が出る一冊です。

 偏愛つながりだと、『止めたバットでツーベース』(村瀬秀信)も面白かった。文化系野球本の傑作『おしゃれ野球批評』に通ずるような、野球を知らない人にもおすすめできます。試合のベストシーンを絵に描き続けてきた「ヤクルト芸術家」だったり、野球に取り憑かれた人がいっぱい出てくるんです。野球という概念についてあらゆる角度から書かれています。野球本は、小説『ボス、俺を使ってくれないか?』(中溝康隆)の80s村上龍を感じさせる筆致も最高でしたね。


――記事の続きは絶賛発売中のBUBKA 2月号にて!


いが・だいすけ 
1977年、東京都西新宿生まれ。1996年に熊谷隆志に師事したのち、22歳でスタイリストとしての活動を開始。大根仁監督や宮藤官九郎監督の映画作品をはじめ、雑誌・CM・演劇など幅広い分野で活躍している。