【BUBKA 4月号】坂道シリーズが辿り着いたアイドルの守破離

デビューから7年が経ち、現在のアイドルシーンにおいて盤石の地位を確立した乃木坂46。

その妹分として生まれたものの、これまでのアイドルとは一線を画した路線で独自色を打ち出した欅坂46。

さらにその欅坂46から枝分かれし、ようやくアイデンティティーを獲得した日向坂46。

まさに坂道黄金期と呼ぶにふさわしい今、その人気の理由をあらためて考えてみた。

数字から読み解く坂道

 昨年12月、乃木坂46は『シンクロニシティ』で第60回日本レコード大賞の大賞を受賞した。候補にノミネートされていたAKB48、DAPUMP、氷川きよし、西野カナ、欅坂46などを抑えての受賞だった。数十年前ほどの権威はなくなったとはいえ、レコ大の連覇で乃木坂46には確実に箔がついた。その前年、『インフルエンサー』で受賞していたため、これで連覇となったが、連覇するということは、時代を築いたと強く印象づけることができる。

 オリコンの集計によると、2018年の年間アーティスト別セールス部門は103.2億円で2位(1位は安室奈美恵)。2016年以降、3年連続でAKB48を上回っている。デビュー時の総売り上げは8.7億円だったことを考えると驚異的な伸びだ。昨年発売のシングルも3作中2作がミリオンを突破した。

 オリコン年間写真集ランキングではTOP10内に6作もランクインしており、書店業界の目玉商品となっている。

 CMではどうかというと、ニホンモニターが発表した「2018女性タレントCM起用社数ランキング」によると、白石麻衣が18社で1位に輝いている(2位は広瀬すずの15社)。西野七瀬と齋藤飛鳥は11社で6位につけており、数多の女優やタレントに引けを取らない人気ぶりが証明された。ちなみに、男性部門の1位は14社の出川哲朗。よって、白石は日本一CMに起用されている人物ということになる。コンサートの動員数は57・3万人で全アーティスト中11位。神宮球場と秩父宮ラグビー場3DAYS同時ライブは史上初の出来事として金字塔を打ち立てた。神宮に始まった夏のツアーは福岡ヤフオク!ドーム、ヤンマースタジアム長居、ナゴヤドーム、ひとめぼれスタジアム宮城をサーキットし、全国区の人気を実証した。また、アンダーメンバーは年末に1万人規模の会場を2日間埋めてみせた。

 乃木坂46とともに「坂道シリーズ」と称される欅坂46はどうかというと、シングル『ガラスを割れ!』が100万枚を売り上げ、自身初のミリオンを達成。『アンビバレント』は100万枚弱(2018年のオリコンデータ)でデビューから3年弱でトップアーティストの仲間入りを果たしたと言ってよい。

 毎回注目されるMVの再生回数は、『ガラスを割れ!』は約3700万回、『アンビバレント』は約2125万回と、相変わらずとんでもない数字を叩きだしている。CMでも度々見かけるようになってきており、今後も様々な局面での伸びが期待できそうだ。


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