【BUBKA 5月号】話題の著者に直撃取材!! BOOK RETURN 第6回 ロマン優光 「90年代サブカルの呪い」

ブブカがゲキ推しする“読んでほしい本”、その著者に毎月直撃インタビューする。

第六回は『90 年代サブカルの呪い』を上梓したロマン優光氏が登場。平成が終わる今だからこそ、サブカルチャーに一家言を持つ著者に、平成のサブカルを語ってもらった。

変遷するサブカルチャー、その“呪い”は姿や形を変え、今なお我々の精神を脅かす――。

SNS時代のサブカル

――1997年(平成9年)に創刊した『BUBKA』ですが、平成の時代が移りゆく中でサブカル色は薄れ、立派なアイドル雑誌になりました。ロマンさんから見て『BUBKA』の変化ってどう映るのでしょう?

ロマン 『GON!』のフォロワー雑誌だったのに、今やアイドル雑誌ですからね。でも、変わっていくのはビジネスとしては正解だと思いますよ。昔やってたゴシップや過激っぽいやつなんて、今はインターネットでただで見られる時代だから、紙で同じことをしても売れないわけで、続いてるのはすごいなとも思います。

――サブカルという言葉自体も形骸化してしますよね。

ロマン おじさん世代が抱いているような意味合いとしての「サブカル」は実質なくなっているんじゃないですかね。今の若い子が口にするサブカルは、我々おじさん世代のサブカルとは違いますし。

――その一方で、前作『間違ったサブカルで「マウンティング」してくるすべてのクズどもに』が大きな反響を呼びました。第二弾である今作を含め、それだけあの時代のサブカルに思いを馳せる人は多いのでは?

ロマン ゆえに「呪い」かもしれませんね(笑)。ありがたいことに前作は、割と評判が良くて。ただ、読む前から怒っている人がいたのはちょっとビックリしました。読む前から「宅八郎について触れてないから0点」という人とか(笑)。あと、読んでるのに、本に書いてないことを言って批判してくる意味不明の人もいたり。バカすぎますよね。

――そのスタンスが、まさに“ザ・サブカル”という。ロマンさんは、いつごろからサブカルという言葉が形骸化していったと感じていますか?

ロマン 『映画秘宝』がたどっていった過程は分かりやすい指標だと思います。世の中の端っこでやっていたはずの雑誌が、作り手の気持ちとは関係なく、いつのまにか何かの権威みたいになっている。2010年代以降に、形骸化は顕著になったように感じますね。

――00年代はまだあったと。

ロマン 00年代初期って、鳥肌実さんがアングラで人気者になれてたんですよね。社会の景気の変化や人権意識の変化もあり、この10年で大きく変わったんだと思います。他にも、昔の「サブカル」的な知識の取り扱い方がビジネスにならなくなってきたのもあります。そもそも若い子はそんなものを求めていないし、ネットでいくらでも情報を取得し、ネット上で気の合う友人を見つけることができる。サブカルおじさんの出番がない。


――インタビューの続きは絶賛発売中のBUBKA 5月号にて!


ロマン優光
1972年高知県生まれ。早稲田大学第一文学部中退。ソロパンクユニット「プンクボイ」で音楽デビューしたのち、友人であった掟ポルシェとともに、ニューウェイヴバンド「ロマンポルシェ。」を結成。ディレイ担当。プンクボイでは『BREATHING OK』、ロマンポルシェ。では『お家が火事だよ!ロマンポルシェ。』といった作品を残す。著書に、『間違ったサブカルで「マウンティング」してくるすべてのクズどもに』(コア新書)など。