【BUBKA10月号】話題の著者に直撃取材! BOOK RETURN 第十一回 角田陽一郎 『人生が変わるすごい「地理」 【学問】の力で働き方と 生き方の【答え】が出る!』
ブブカがゲキ推しする“読んでほしい本”、その著者にインタビューする当企画。第11回は、『人生が変わるすごい「地理」【学問】の力で働き方と生き方の【答え】が出る!』の著者・角田陽一郎氏が登場。TBS退局後も、第一線でバラエティプロデューサーとして活躍する角田流“地理思考”とは一体!? 地理から学ぶ“人生のための思考法”を駆使すれば、あなたも明日から名アイデアマンになれるかもしれない――。
テレビ業界の現実
――まず、本書のキーワードでもある「地理思考」とは、一体何なのでしょう?
角田 「坂本龍馬に学ぶ経営術!」とか「豊臣秀吉に倣う処世術!」といった類の自己啓発本って、よく見かけるじゃないですか。歴史上の偉人に憧れる気持ちは分からなくもないんですけど、読んだ本人が成長したり成功できたりするかどうかは、自分次第というよりも、実は周りの環境によるところが大きいと思うんですね。さらには、人それぞれ周囲の人間関係や労働環境も違う。竜馬や秀吉に倣うといったところで、あなたの周りに海援隊のような仲間がいるんですか? 信長のような上司がいるんですか? って話だと思うんです。
――たしかにそんなすごい人たちが周りにいるかと問われると、ほとんどの人が「いない」と答えるでしょうね(苦笑)。
角田 全く状況や環境が違うのに、歴史上の偉人や偉大な経営者に学ぼうというのは無理がある(笑)。むしろ大切なのは、自分の環境を把握するスキルだと思うんですよ。自分を知ることも大事だけど、自分の周辺環境を理解することはもっと大事。そこで、自分の環境を知るための学問って何かな? って考えたときに、地理がヒントになるのではないかと。地理的な思考力や視点を、自分の人生にフィードバックさせたら面白いんじゃないかなって。
――「地理」と言われると、地図記号をはじめとした社会的な知識を思う浮かべてしまうのですが、そういうわけではないと。
角田 地の理(ことわり)と書いて、地理と書く。人生を大きな地図として考えたときに、自分の位置情報を把握しないといけませんよね。自分をマッピングする際に、どういう関係性で成り立ち、どういう可能性が起こりうるかを考える力が必要です。やたらと勉強して知識を増やし、理論武装したところで周りが見えていなければ宝の持ち腐れになってしまう。「人生を最短で良くしよう」的な思考回路を持っている人が陥りがちな罠って、単に知識を増やせばいいと思っているところ。英語の三単現のSや助詞の使い方だったり、数学の方程式を必死に覚えたところで、「知」は向上するけど、「智」は向上しない。智は脳力の総和を示す教養でもある。分かりやすいところでいうと、『孫子の兵法』は智の集合体ですよね。
――なるほど。たしかに「背水の陣」などは、単なる知識ではなく、脳力の総和ですね。自分がどう立ち回ればいいかを教養として教えてくれます。
角田 後ろに川が流れているから、踏ん張らざるを得ない。もしくは、この危機からどう脱するかを考えなければいけない……まさに地理思考! 類似本があったら嫌だなってさまざまな地理に関する本を調べてみたところ、孫子の兵法が考え方として近かった。僕の中では、2500年ぶりに地理思考を提示した本だと思っているんですけどね(笑)。
――インタビュ―の続きは絶賛発売中のBUBKA10月号にて!
かくた よういちろう
1970年千葉県生まれ。東京大学文学部西洋史学科卒業。TBSテレビに入社後、『さんまのスーパーからくりTV』でディレクターに昇格。チーフディレクターとして『中居正広の金曜日のスマたちへ』を立ち上げるなど、数多くのバラエティ番組の制作を担当。2016年にTBSテレビを退社し、現在はバラエティプロデューサーとして、多種多様なメディアビジネスをプロデュースする。著書に、ベストセラーとなった『「24のキーワード」でまるわかり! 最速で身につく世界史』(アスコム)などがある。
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