【BUBKA6月号】新型コロナウイルスで揺らぐエンタメ業界最前線 アイドル・ シンガーソングライター 里咲りさ
全世界での感染者238万人超、死者16万人超。
日本での感染者11,119人、死者186人(2020年4月21日現在)。
とても言葉にならない、この記録的な数字は新型コロナウイルスによるものだ。日々増えていく数字と向き合うだけで湧いてくるのは、無機質な恐怖のみ。
では、映像や音声を記録し、言葉にならないことを言葉にするテレビやラジオ、映画といったエンターテインメントは、このコロナ禍を我々にどう伝えてきたのか?
そして、今後どのように伝えようと試みるのか?
社会実験にもなる
私が「新型コロナはヤバいぞ!」って感じたのは国内初感染者が出たときです(2月17日)。それまでは「新しい風邪みたいなものかな?」くらいに思っていたんですけど「インフルにも風邪にも明確な治療法があるけど、この〝新型〞コロナにはないじゃない!」ってことに気付いて一気に危機感が生まれて。ニューアルバム(1月29日発売『スパーク』)リリース後という大事なときだったんですけど、そこからは2月末からのイベントを中止にして、予定していたテレビ出演も取材も辞退しました。だから「しゃちょー(里咲の愛称)は対応が早かったね」ってよく言われるんですけど……コロナ禍に関係なく毎年2月は風邪とかインフルエンザが流行りやすい時期なのでイベントを減らしてはいたんですよ。私はアーティストでもありレーベル会社社長でもあるのでイベントで感染者が出た際のリスクを考えておかなきゃいけないんです。なので、こういうことに敏感になっているんですよね。
でも、そのときはまだ世間がコロナに対して楽観ムードだったので「え? 何で止めるんですか?」と言う人もいました。大規模イベントの自粛は始まってたけど、「50人規模だから大丈夫」っていう感覚で普通にイベントをやってましたしね。……でも、50人だから伝染らないというわけでもないじゃないですか。何万人規模のドーム公演もライブハウスでの公演も、ひとりがひとりに感染する・させるリスクってそんなに変わらないと思うので「50人規模なら」という言説も「謎だなあ」と思っていました。だからといってイベントを行った方やライブハウスの判断が遅かったとは思ってはいません。それぞれ立場も状況も違います。私はあくまで誰かのきっかけになるかも、と自分のとれるスタンスを示しました。コロナ禍ではイベント収入だけに頼っているライブアイドル、ライブハウスのスタッフ、イベンターの方にかなりの影響が出ています。3月半ばまではイベントが出来ていたけど4月はまるっきり出来ていないと思うので。今は自粛要請でお休みせざるを得ない状況だから「5月以降もこの状態が続いたら態勢が持たないので別仕事を探さなければいけない」という声はいろんなところから聞きます。でも、仕事を探すにもどこも大変でアルバイト募集も少ないから八方塞がりといった状況で。ホント、風景が一変しました。だって1月の時点ではオリンピックに向けて外国人観光客向けの企画を立てているアイドルがいたり、「オリンピック中は会場、空いてないですよねー」みたいな景気の良い会話をしてたのに……厳しいですよね。ライブ活動を主軸にしていたアイドルは、ライブが全てだったのにそれが出来ない。これは辛いですよ。しかもその原因がアイドル側、ファン側、運営側にあるわけでなくコロナ禍という全く別の理由。こんな事態って誰もが直面したことないじゃないですか。いきなり職業を奪われる感覚ですね。だから今はみんなインターネット配信に活動の場を移してアイデンティティやモチベーションを保っている状況です。
――インタビュ―の続きは絶賛発売中のBUBKA6月号にて!
里咲りさ
アイドル・シンガーソングライターであり、音楽レーベルと制作会社の代表取締役を務める。愛称は「しゃちょー」。2016年よりソロ活動を本格始動。クオリティの高い楽曲と破天荒なキャラクターが話題となり、テレビ・ラジオなど各メディアで活躍中。
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