【BUBKA7月・8月合併号】「新アイドル様式」を語ろう 田中紘治
新型コロナウイルスによる自粛要請を受け、すべてのエンタメがストップ。もちろん、アイドルも例外ではない。
“彼女たち”をライブ・イベントなど現場で体感するという日常は一変した。
「この状況でやるべきこと、この先やれること」は何なのだろう。
アイドル運営が直面している「今」を訊くことで、現状を立体化していきたいと思う。
フリーと有料の使い分け
――AqbiRecは所属タレントに給料をかなりしっかり払っているじゃないですか。この状況になってからはいかがでしょうか。
田中 固定給は一切下げずに、バック率も調整してお給料はこれまでと変わらずです。
――それはすごい!
田中 これはいい意味ではないんですが、Aqbiはこれまで通販やネットのコンテンツに力を入れることができてなかったんです。ライブができなくなった代わりにそういったところをやり始めたら、今のところはほぼ横ばいみたいな感じでできてます。
――Aqbiは「現場」のイメージがありました。ネットまわりに関してはそこまで積極的ではなかった?
田中 そうですね。僕のなかはいつでもやりたいという思いがあったんですけど、グループが増えるとやることが増えていって、単に余裕がなかったんですよね。頭のなかではライブの本数を減らして、色んなことを配信に切り替えたかったというのは去年からあって。地味に準備はしていたんですよ。ただ、実行するタイミングがなかったという。ベルハー(BELLRING少女ハート)をやっていたときに感じていたのが、会場で体感する分には楽しいけど、映像で見たときに楽しくないということで(笑)。基礎がしっかりしてないと、定点カメラの視点だと面白いものにならない。だからその後は映像でも満足してもらえるようなパフォーマンスを作っていこうとしてました。解散してしまったけど、ゼアゼア(There There Theres)は配信に強いグループにしていくつもりだったんですよね。なので、不謹慎ですが、配信まわりを半強制的にアップグレードしなきゃいけなくなったのはかえってよかったと思っています。
――配信ライブも色々なやりかたがあると思うのですが、フリーでやるのと有料チケットの可能性についてはどうでしょう?
田中 色々試したいなと思っていて。というのも、見入っちゃうと投げ銭を忘れるから。4月にギュウ農フェスの無観客配信があったんですけど、うちのグループが出るまではあまりギフトを煽らずにライブが進んでたんですよ。だからNILKLYが出たときに、運営さんのノートパソコンをメンバーに渡してコメントをリアルタイムで読ませたんですね。そうしたら投げ銭が増えたということがあって。コミュニケーションがあって、そこにお金が発生するっていうシステムが確立されれば、無料配信でも可能性はありますよね。ライブに集中してもらうんだったらチケットを買ってもらうほうがいいのかもしれない。そういう使い分けをしていこうかなと。何がAqbiのグループに向いてるかですよね。今のところは答えが出ていないので試行錯誤していく感じです。
――インタビュ―の続きは絶賛発売中のBUBKA7月・8月合併号にて!
たなか・こうじ
BELLRING 少女ハート(THERE THERE THERES)の元ディレクターとして、楽曲やアートワークのディレクションなどを手掛けていた。映像クリエイターとしても活躍し、BiS の『nerve』、『パプリカ』のMV や、「ももえび学園~ももいろクローバーの部」(演出・編集)のほか、TV 番組などを数多く制作。現在は株式会社AqbiRec を設立、MIGMASHELTER やグーグールル、NILKLY のディレクターを務めている。
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