【BUBKA11月号】座談会連載 アイドルのへそ「彼女たちの決断」

10年の月日を経て、ようやく例のイベントの全貌が明らかになってきた。

なんと、あの日あの場所には現在の坂道時代の萌芽があったというのだから驚きである。

そして、運命とは不可思議だ。縁深きアイドルたちの決断も対象的なものとなっている。

写真=©乃木坂46LLC


またまた新事実

ゾンビーノ(以下、ゾ)  今月も座談会を開催しましょう! 最初のテーマは『アイドルユニットサマーフェスティバル2010』から10年ということで、吉田豪さんと当時の関係者たちが一堂に会して有料配信イベントを行った話題からいきましょう。

サミュL(以下、サ) そうだね。

犬飼華(以下、犬) またそれかよ!

 まあ、いいじゃないですか(笑)。

 ゾンビーノも飛び入り出演したしね。もう10年経ったからいろんな話が出てきて、面白かったよね。

 検証するのは今年しかないからね。

 ちょうどその日に発売されたブブカのこのページで、犬飼さんが当時の裏事情を話してくれましたね。「実は、bump•yから出た話だった」とか。

 そう。先月した話は、井上(朝夫=当時の『B.L.T.』編集長)君に電話して、ちゃんと許可取って載せてるからね。「当時の話を載せてもいい?」って。

ゾ そこに書いてあった、湯浅(洋=当時のSKE48劇場支配人)さんが初日が終わった後に、「ウチの圧勝です!」で誰かに電話していたエピソードを、そのイベントで吉田さんが湯浅さんに直で当ててましたね。で、湯浅さんは今でもやっぱり圧勝だと思っていたという。

 それもあって、ゾンビーノは「それは違う!」と言いに乱入したんでしょ?

 湯浅さんには、「かわいいSKE48も見せたい」とか「いろんな衣装を見せたい」というのがあったわけですよ。東京初進出でもあるし。でも、僕らの頭にはそんなのなかったから、こういうふうに戦争って起きるんだなって思いました。お互いの正義が違うと。

 スポーツの世界と違うからね。数字とか記録で決まる世界じゃないから。

犬 俺がもしあの場に乱入してたら、「じゃあ、湯浅さん。ももクロが国立競技場に行けて、SKE48が行けなかったのはなぜだと思いますか?」って聞いてたと思う。あの日が分岐点だったのは明らかだけど、その認識は湯浅さんにはないわけだよね? でも、あの日でももクロに流れた人は実際にいるし、俺もその一人。しばらくは現場に行ってたからね。逆に、あの日でSKE48に流れたという人を俺は知らないんだよ。

ゾ 10年前のことをまだ怒ってますね(笑)。僕もそのイベントで怒ってたら狂人扱いされましたけど。

サ 「セットリストが違う!」とか言ってね(笑)。湯浅さん的には、平和でバラエティ豊かなセトリが正解だったんだろうね。ただ、俺たちの観たいSKE48は、牧野アンナ先生が率いる戦闘集団だから。

 それもあって、『アイドルユニットサマーフェス』が開催される日に発売されたブブカでは、アンナ先生のインタビューを掲載しましたから。その号から2号連続掲載だったから、取材終わったあとに「ちょっと不安なイベントがあるんです。アンナ先生、お時間あったら観に行ってください」とかメール送ったりしてて。

 ブブカにどんな権限があるんだよ、まったく(笑)。

 (全く聞かずに)アンナ先生が会場にいない時点で負ける予感あったもんね……。湯浅さんはSKE48のことを激しいとかヤバいという角度からは見ていなくて、むしろヤバいことをする人はそんなに得意じゃないんだよ。だからBUBKAのことも根本的にはあんまり好きじゃないはず(笑)。


――座談会の続きは絶賛発売中のBUBKA11月号にて!


サミュL …… 編集長。TBSラジオ「アフター6ジャンクション」の「最新アイドルソング時評」コーナー出演中。

犬飼 華 …… 48グループ、坂道シリーズ全般の取材執筆を行うライター。メンバーの決断を尊重する派。

ゾンビーノ …… 副編集長。カミフレのライブレポートと9期生以外のインタビューは公式HPに載ってます。