【BUBKA11月号】吉田豪インタビュー 証言モーヲタ ~彼らが熱く狂っていた時代~ vol.05 杉作J太郎(後編)
プロインタビュアー吉田豪が、モーヲタたちが熱く狂っていた時代について、モーヲタ自身に直撃する濃厚インタビュー連載。前号に引き続きゲストは杉作J太郎氏。前編では、モーニング娘。にハマったきっかけと加護亜依のツラい状況を察知した杉作氏が人生をかけた応援活動を開始するエピソードなどをお聞きした。後編となる今回は、その応援活動、BUBKAとの因縁、仲間たちとの思い出などを語っていただいた!
写真提供/杉作J太郎
太平洋戦争くらい長い応援活動
――『あいぼん祭り』(注1)は具体的にどんなことをやってたんですか? 基本は映像を観て「あいぼん(加護亜依)かわいい」と連呼したりとか?
杉作 加護ちゃんをかわいいってとにかくみんなで言っていこうとか、当時だと掲示板とか2ちゃんねるに加護ちゃんの悪口があったり加護ちゃんのよくない話があったら、それをもみ消すというか。本人の目には留まりゃしないかもしれないけど、いい意見が増えればいいじゃないかっていうことで、そういうのをみんなで書き込んでいこうよとかね。
――Jさんが唯一スレッドを立てた話とか。
杉作 それは加護ちゃん以前の話で、後藤真希さんの話ですから。それは僕が掲示板とか2ちゃんねるというものの真実がわからないままアイドルを急に好きになったもんだから、モーニング娘。の(スレッド)を見てみたら、小林旭さんとか高倉健さんと並ぶような本当にすごい、もしかしたらそれ以上かもしれないスーパースターの後藤真希さんを、ここまでこき下ろすのはどうかしてるよと思ったから。それが掲示板というものだとしたら悲しすぎると思ったんだよね。全部が悪口みたいな感じになってるから、これは悪口を書き込めるようなタイトルだからいけないんだと思って。悪口が書き込めないようなスレッドタイトルにすれば悪口を書き込みにくくなるんじゃないかと思って、「やっぱりごっちんの笑顔が最高!」っていうスレッドを立ち上げてね。
――ボクが好きなのは、彼女と待ち合わせしたら彼女が怪訝そうな顔をしてたって話で。
杉作 モーニング活動が忙しかったから、久しぶりに会ったと思うんだよ。僕が六本木ヒルズのほうから走ってきて、向こうは六本木の警察署の前あたりからこっちに向かってて。だけど、彼女がすごい顔してクルッときびすを返して向こうに歩いて行って話もしてくれないから、「なんで?」って言ったら、「よく見てごらん!」って。それで見てみたら、「加護亜依」っていうハチマキと、加護ちゃんのピカピカ光るペンダントみたいなのをつけててね。それしたまま六本木まで行くぐらいおかしくなってたんですよ。相当な状態だったのは間違いないですね。サン出版の担当でずっとよくしてくれたヤツがいたんだけど、彼が独立して編集長になったの。「モーニング娘。の原稿をウチでもお願いします」って言うんで、「あんまりお笑いみたいにしないでくれよ、こっちは真剣にやってるんだから」と。完全に野村秋介さんみたいな気持ちでやってたんだよ。野村秋介さんが『斬殺せよ』なんて映画を作って、女郎を足抜けさせるのに一生懸命になる話だったの。そういう真剣な状態で加護ちゃんをなんとかしなければならないと思ってたのに、出来上がったのは『40歳からのモーニング娘。』みたいな、40歳からモーヲタになった人の発狂ぶりみたいなところにスポットを当てる記事で、「これはいくらなんでもおかしくねえか」みたいな話をしてね。これは許すわけにいかないな、みたいなずいぶんキツい言い方をしてしまった記憶はありますね。
――インタビューの続きは絶賛発売中のBUBKA11月号にて!
杉作J太郎
狼の墓場プロダクション代表。漫画家、タレント、映画監督。南海放送のラジオ『痛快!杉作J太郎のどっきりナイト』のパーソナリティとしても活躍中。
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