【BUBKA1月号】アイドルのへそ「48グループの劇場問題」

AKB48グループにとって、専用劇場は最も大切な場所。

しかし、コロナ問題が、その「常識」に疑問符を打ってきたのも事実。

これまで長きに渡り、HKT48を定点観測し続けてきた小島和宏記者が、11月に新劇場の「こけら落とし公演」を行ったHKT48の現状を語ってくれた。

写真/©Mercury

博多にこだわる理由

――今回、小島さんはWebでHKT48の短期集中連載をやったんですよね。新劇場オープンまでメンバーの証言を集めたドキュメントと、新劇場のこけら落とし公演のレポート。

小島 全部で10回ですね。もともと5回の予定ではじめたものを7回に延ばし、9回に延ばし、さらにこけら落とし公演の様子まで入れる、という(苦笑)。もともと僕の持ち込み企画なので、そこはもう力が入りました。

――あっ、持ち込み企画だったんですか。

小島 だから、こけら落とし公演への旅費も自腹ですよ。普通だったらキツいけれどもGo Toトラベルのおかげで激安だったので。

――いま、どの媒体も厳しい状況なので、そうやって自分で動く編集者やライターさんがいないと、なかなか地方取材は難しいですよね。

小島 まぁ、BUBKAはそもそもHKT48をそんなに扱ってないからね。でも、僕がHKT

48を取材するようになったきっかけはBUBKAなんですよ。

――よしりん(小林よしのり)先生の連載ですね。

小島 先生が「天使が舞い降りた!」とか暴走するのを止める役割だったのに「君はちゃんと公演を観とらんから、この子たちの魅力がわからんのだよ!」と先生に言われて。それで見るようになったら、見事にハマった、という(笑)。

――あの連載はBUBKAってどうしても文脈でアイドルを語りがちだけど、よしりん先生に「ただかわいい女の子たちにやられているおじさん」という役割を果たしてもらうことで、結果として文脈で語るだけがアイドルじゃないっていうアプローチになったのかなと思います。

小島 これも結果論だけど、そういう流れもあってBUBKAでHKT48について語れなくなってしまったわけですよ。

――常に観測していないと文脈で語れないじゃないですか? 博多との距離が遠いこともあって、それをしなくなって、いまではスポットでみくりん(田中美久)にグラビアのオファーをさせていただく感じですね。そもそも不思議なのは、小島さんってプロレスの人じゃないですか? BUBKAでもそういった切り口でアイドルの物語を紡いでいくみたいな楽しみ方をこれまでもしてもらってきたんですけど、そんな小島さんがなぜいまでもHKT48を見続けているんですか?

小島 これもBUBKAがきっかけになるんだけど『AKB48裏ヒストリー ファン公式教本』という本を出すときに巻末にまだデビューしたばかりのHKT48のメンバーに出てもらおう、ということで博多の劇場まで取材に行ったんですよ。

――あぁ、そうだ。僕も一緒に行きました。とにかく当時、いちばん新しいグループに歴史を教えよう、という企画です。

小島 ちょうどCDデビューするタイミングでセンターに抜擢された2期生の田島芽瑠と、1期生のはるっぴ(兒玉遥)と(宮脇)咲良ちゃんという顔合わせで、取材中にセンターになれなかった悔しさからはるっぴと咲良ちゃんが泣き出す、という修羅場になって……(笑)。


ーーインタビューの続きは絶賛発売中のBUBKA1月号にて!


小島和宏
ももいろクローバーZの番記者としても知られるライター。HKT48の元メンバーである朝長美桜を熱心に推していた。