【BUBKA1月号】吉田豪インタビュー 証言モーヲタ ~彼らが熱く狂っていた時代~ vol.07 久保内信行

プロインタビュアー吉田豪が、モーヲタたちが熱く狂っていた時代について、モーヲタ自身に直撃する濃厚インタビュー連載。今回のゲストは編集者・ライターの久保内信行さんです。これまでの多くのゲストの方々と違って、冷静な視点を持ちながらモーヲタ界隈と関わった久保内さんは、自身が経営する編集プロダクションが、なぜかモーヲタたちの駆け込み寺のような存在になっていたそうです。そんな久保内さんが語る、モーヲタたちの濃厚トンデモエピソードは必読です!

政治家秘書からヲタへ

――前回のコイタ君の記事はどうでした?

久保内 コイタの後ろ姿、僕と無茶苦茶似ていてビックリしましたよ(笑)。これまで毎回おもしろい髪型でメディアに出ていたのに、コケたら適当になってて、これが一番衝撃を受けました。コイタに比べると僕は地味だから、記事になるんですかね?

――まず何者なのかって話なんですよ。

久保内 でも、説明してもべつに読者は興味ないという。吉田豪さんともお話しするのも、たぶんいままでで合計7分あるかないかぐらいで。

――そう、かなり薄い関係なんですよね。

久保内 たぶん『紙プロ』で机を持たれてたとき、CDを強奪しに行ったビバ彦のうしろに2回ぐらいいたのと、あとはモーヲタ系の飲み会とかで、「仕事たいへんですか?」とか、それぐらいの話しかしてないんで。

――久保内君はどのくらいのタイミングでモーヲタ的な流れに入っていったんですか?

久保内 当時は大学生で関西に住んでいたから『ASAYAN』の放送もなくて、シャ乱Qってすごい電気グルーヴにバカにされてたじゃないですか。実際、大阪城ホールとかでシャ乱Qが路上ライブやってた頃、バンドの番組で勝ち抜いていく過程とか苦々しい思いで観てて。僕はJIGGER'S SON派だったんで。当時、僕は京都のメトロとかで、ユナイテッド・フューチャー・オーガニゼイションとかそのあたりのシーンのフォロワーでアシッドジャズや渋谷系のDJしてたんですよ。FantasticPlastic Machineとレコード屋さんで、お互いデブだからすれ違えなくてメンチ切り合ったり。だから、シャ乱Qは大阪の一番見せたくないダサい部分を歌う人たちって認識で、モーニング娘。もバカにしてたというか。

――そこからよくハマりましたね。

久保内 『真夏の光線』ぐらいであれ?と思って、それで『LOVEマシーン』ですよ。そしたら当時、つき合ってた彼女が「市井紗耶香が最高だ!」って言い始めて、ぜんぜんメンバーわかんなかったんですけど、僕は広末涼子が大好きだったんで、それで好きになって。それが急に市井が辞めるってことになって。観に行こうと思ったんですけどチケット取れなくて、初めてヤフオクでチケットを落としたら想像以上の金額で、5万円ちょっとだったかな?金ないんで、普通電車で向かったら掛川あたりで電話かかってきて、「ごめん、ほかの人に高く売ったから」って言われて、そのまま降りて浜名湖のあたりですげえ黄昏れて携帯をブチ投げたんですよ。


ーーインタビューの続きは絶賛発売中のBUBKA1月号にて!


久保内信行
編集者・ライター。編集プロダクションの株式会社タブロイドの代表を務める。著書として『カオスアニメ大全』などがある。自身のnoteでは、サムライこと有馬岳彦氏の6万字インタビューも公開している。