【BUBKA1月号】アニメ兄弟 第4回 少年ジャンプと人生 ゲスト=東市篤憲(映像ディレクター

『鬼滅の刃』旋風がとどまることを知らない。だが、今に限らず少年ジャンプは、あらゆる世代の少年少女たちの人格形成に多大な影響を与えてきた。数多くのアーティストのライブ演出やMV制作を手掛ける東市篤憲と共に、ジャンプとクリエイティブの関係性を探ります。

鬼滅の元ネタ

編集部・並木(以下、並) 『鬼滅の刃』が空前の大ヒットとなっているわけですが、現在放送中のジャンプアニメ『呪術廻戦』もめちゃくちゃ面白くて。結局、僕らは生まれてこのかたずっと、少年ジャンプの漫画やアニメと共に過ごしてきたなとあらためて思ったんですよ。

スタイリスト森(以下、森) 本当そうだよね。東市さんは?

東市篤憲(以下、東) 小学校2年生の時かな? そもそも漫画という存在も知らなかったんだけど、当時『キン肉マン』がすごく流行ってて、母親が「流行ってるから」って買ってくれたんだよね。そしたらもう、面白すぎて……。ひたすら模写してたし、キン肉マンソルジャーの迷彩柄が当時めちゃくちゃかっこいいと思って、それから迷彩好きになったし。

 東市さんもそいうタイプだったんだ笑)。ちなみに東市さんとは、僕がスタイリストとしてデビューしたての5年くらい前に撮影の現場で知り合って、それから仲良くさせてもらっていて。アニメも漫画も好きだしね。

 僕とは森くんの紹介で、東市さんが監督のMV撮影現場に元SKE48の小畑優奈さんをアテンドするという、よくわからないことをやったのが最初ですよね。そこで東市さんが小畑さんと『鬼滅の刃』の話をしていたから、「好きなんだ」って。

 そうそう(笑)。コロナのタイミングでアニメを観始めたからかなり遅いんだけど、大好きになりましたね。映画も2回観に行きましたよ。

 やっぱり、そういう時って映像監督的な視点で観てしまうものなんですか?

 カット割りとかはそうかもしれないですね。『鬼滅』の劇場版は特に、音に映像が合っててMVみたいだなとか。

森 『鬼滅』はやっぱり、制作会社のufotableが本当にすごいよね。『Fate』もそうだったけど、とにかく動くし迫力がハンパない。でもさ、『鬼滅』は結構エグい描写も多いじゃん。それでも子供にウケているのが、ちょっとびっくりというか。みんな平気なのかな?

 最近だと、少しグロいぐらいの作品の方がウケがいい傾向はありますね。

東 とはいえ子供は苦手だと思うよ。でも、それ以上にキャラクターが立ってるから、その印象が強くてあまり人が死んだりする描写のインパクトが少ないのかもしれない。あと僕は、YouTubeにファンの人があげてる〝考察動画〞が好きでそれをよく観てます。劇場版の考察だと煉獄(杏寿郎)さんの登場シーンのバックでは『炎』のインストが小さくかかっていて、煉獄さんと『炎』の関連付けを観客の無意識に刷り込んでいるとか、戦闘シーンがトータルで何分あるとか、細かく解説しててすげー面白いんですよ。原作についての考察もたくさんあって、それも結構観てますね。ちょっと観てみます?(といって適当に考察動画を流す)


ーー続きは絶賛発売中のBUBKA1月号にて!


東市篤憲
とうし・あつのり。映像ディレクター/プロデューサー。あらゆるクリエイティブ面でアーティストの活動を支援する制作集団A4A代表取締役社長。BUMP OF CHICKEN feat.HATSUNE MIKUによる『ray』のMV監督、2019年に行われた欅坂46の日本武道館公演の映像演出など活動は多岐に渡る。


並木愼一郎
編集ネームはゾンビーノ。現在は乃木坂46をはじめアイドル全般の企画を担当。2017年には女性声優メインのグラビア&インタビュー誌『VOICEBRODY』(弊社刊)を立ち上げる。小学生時代はあかほりさとる作品にハマり、日々イラストを模写していた。


森俊輔

1987年10月1日生まれ。Hifumi,inc.所属のスタイリスト。乃木坂46の衣装製作や数多くのアイドルのスタイリングを務める。近年では物語フェスでステージ衣装をデザインしたり様々なアニメ作品にも関わっている。担当編集の並木とはほぼ毎日電話をする仲。