【BUBKA4月号】新連載!アイドルクリエイターズファイル #1 hy4_4yh 江崎マサル (プロデューサー)

『宇多丸のマブ論』が本誌で開始されたのが2000年。それから21年が経った現在、アイドルソング“的”な楽曲のクオリティは当時と比較するのもはばかられるほど上がった。先月行われた『マブ論年間ベスト15』に選ばれた曲はもっと評価されるべきだし、楽曲派という言葉が死語になる前に伝えることがある!ということで始まった当連載。今月はまず年間ベストで1位~3位に選ばれたクリエイターたちに話を聞いてみた。

師匠直々の栄誉

――マブ論の2020年ランキングにおいて、ハイパヨさんの『お家で聴きたいサマードライブ・アンセム』が1位を獲得しました。そのご感想から教えて下さい。

yukarin   発表になった「アフター6ジャンクション」をリスナーとして聴いてたんですが、「1位あるかもなぁ」なんて発想はなくて。だから発表で……(手書きの紙を開いて)ちょっと読んでいいですか?

――宇多丸さんのコメントを書き起こしてるんですか(笑)。

yukarin「2020年コロナに喘ぐこの世界で生きるその切実さと、それでも音楽する喜びあるいは、15年間シーンをサバイブしてきた彼女達ならではのタフネスとユーモア全てが渾然一体となって巨大な感動を巻き起こす、まさに奇跡の一曲」。……この時点でも「誰だろう。15年やってるアイドルって」って思ってたんですよね。

――自分たちのこととは思わずに。

yukarin   で、「15カ月連続リリースなんて言う荒業をやっていると」って言うワードが出たときに、「もしかして……」ってゾゾゾって鳥肌が立って「hy4_4yh!」って言われた瞬間に「ドヒャー!」ですよね(笑)。

chanchala   私はどこかにはランクインするかなとは思ってたんですよね。だけど3位フィロのスさん、2位戦慄かなのさんときて、「結局だめか〜。わしらが一位を取れるわけないしなぁ」と思ってたら、「1位!『お家で聴きたいサマードライブ・アンセム』!」って発表された時、もう嗚咽が止まらなくなって。それから2、3時間ずっと泣き続けて、泣き疲れて寝ました(笑)。

――赤ちゃんですか(笑)。

chancahla   BUBKAさんのマブ論の記事でもハイパヨに触れてくださってまた嗚咽が止まらなくなって、コンバットRECさんもエモいって言ってくれて泣けてきて、実質2日くらい泣いてましたね。とにかく嬉しくてこの15年間が走馬灯のように駆け巡って。

――まだ生きましょう(笑)。

yukarin 自分たちがやってきたことが間違ってなかったのかもしれないって思わせてくれた瞬間でした。一番尊敬する宇多丸さんに、しかも曲で選んでくれたっていうのがとにかく嬉しくて。

――プロデューサーの江崎さんとしてはどんな感触がありましたか?

江崎 長く音楽に関わらせて頂いていたなかで、本当に今回が一番嬉しかったです。宇多丸さんにはハイパヨは弟子と言っていただいているので、師匠が弟子には賞を与えにくいと思うんですよ。でもそれを突破して1位に挙げて頂けたんだって。ハイパヨは世間には認められない感じがずっとあったので、「リスナーの事は気にせず自分たちがやりたいことをやろう」って開き直ったのが15カ月連続リリースでもあったんですね。その中でも一番の自信作が選ばれて本当に光栄です。


ーーインタビューの続きは絶賛発売中のBUBKA4月号にて!


hy4_4yh(ハイパーヨーヨ)
yukarin(ゆかりん)とchanchala(ちゃんちゃら)の2MCからなる、RHYMESTERを師匠筋に持つガールズ・ヒップホップ・デュオ。愛称は「ハイパヨ☆」。


江崎マサル

hy4_4yhプロデューサー。結成当初から彼女達の全ての曲を手掛けている。自身も所属するザ・レーベルの代表。