【BUBKA4月号】新連載! アイドルクリエイターズファイル #3 加茂啓太郎
『宇多丸のマブ論』が本誌で開始されたのが2000年。それから21年が経った現在、アイドルソング“的”な楽曲のクオリティは当時と比較するのもはばかられるほど上がった。先月行われた『マブ論年間ベスト15』に選ばれた曲はもっと評価されるべきだし、楽曲派という言葉が死語になる前に伝えることがある!ということで始まった当連載。今月はまず年間ベストで1位~3位に選ばれたクリエイターたちに話を聞いてみた。
100曲中の1曲
――まずは寺嶋由芙さんの『みんな迷子』についてお聞きしたいのですが、現在の加茂さんは寺嶋さんの作品にはどういう形で関わっているのでしょうか。
加茂 ユニバーサル時代と、そのあとのテイチクの初期の頃もプロデュースしていたんですけど、フィロソフィーのダンスが忙しくなってきて、全部の責任を負えないなということになって。それで、人脈の紹介とかアイディアは提案するけど、実務はテイチクのディレクターさんでやってね、みたいな時期がしばらく続いていたんです。で、由芙ちゃんの新作を作るという話が出たときに、コロナということもあり、僕も時間があったので、今回はがっつりやってもいいですか、と言いました。カップリングの宮野(弦士)君の曲(『あたらしいわたし』)は進んでいたので、そこはやってもらって、『みんな迷子』のほうに関しては僕がやりたいです、と。
――作詞・松井五郎、作編曲・山川恵津子という並びに驚きました。
加茂 その前から伏線はあって。山川恵津子さんを紹介してもらう機会があったので、いつか仕事したいなと思っていたんです。ただ、山川さんは巨匠すぎちゃって、若い人は頼みに来ないんですよね。山川さん自身は若い子とやりたいみたいで、origamiPRODUCTIONSまわりが面白いとか、Nulbarichがいいとか、新しい世代もチェックしてるんですよ。これはいいなと思ってお願いしたら、ハマりましたね。作詞家に関しても同じで、松井五郎さんはやっぱり頼みづらいじゃないですか。山川さんに作詞家はどうしましょうかと聞いたら、「売野(雅勇)君か松井君がいいんじゃない?」みたいな感じで。
――すごいスケールの話が(笑)。
加茂 呼び方が君付けで(笑)。それで松井さんを紹介してもらって、進めていきました。山川さんがいないとできなかったでしょうね。『みんな迷子』に関しては、曲の発注からディレクション、レコーディング、ミックスなど諸々の全部を最後まで関わったのは久しぶりでしたね。
――制作はどのように進んだのでしょうか。
加茂 今回は詞先でやりたかったんです。松井さんがすごかったのは、まったく違うものをふたつ書いてくれたんです。そこから僕が選びました。山川さんには、得意なのが80年代のAORとかだから、一番好きなところでお願いしますと。そういう進め方でした。
ーーインタビューの続きは絶賛発売中のBUBKA4月号にて!
加茂啓太郎
1960年生まれ、東京都出身。音楽プロデューサー。フィロソフィーのダンス、寺嶋由芙をプロデュース。過去には、ウルフルズや氣志團、ナンバーガールなどアーティストの発掘・育成に携わる。
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