【BUBKA4月号】話題の著者に直撃取材! 第28回 神舘和典 西川清史 「うんちの行方」
ブブカがゲキ推しする“読んでほしい本”、その著者にインタビューする当企画。第28回は、『うんちの行方 』の著者である神舘和典氏と西川清史氏が登場。流したうんちはどこに向かって、どう処理されるのか? 知っているようで知らない“アフターうんち”の行方を徹底取材すると、46億年前から変わらない驚くべき水の循環システムにたどり着いた――。
〝オヤジ探偵団〞
――毎日2トントラック1万2600台分のうんちが流れている、和式の汲み取り式便器の名称が「非水洗底無大便器」などなど、冒頭からうんちにまつわるパンチラインが炸裂します。なぜ、うんちについて調べようと思ったのでしょう?
神舘 お互いによく行くカフェで、あーだこーだといろいろ雑談をするのですが、その中で下水の話題になりました。'19年に台風19号が来襲した際に、武蔵小杉のタワーマンションで浸水被害が発生し、「溢れ出ている水は雨水だけなんだろうか?」と関心を覚えたことがきっかけでした。僕たちが子どもの頃は、完全にうんちが混ざってたわけですが、果たして今はどうなんだ……おしゃれなカフェでうんちの話をしているうちに、次々とうんちにまつわる疑問がわいてきて、氷解させたいよねって。
西川 例えば、モルディブなどの高級リゾートでは海に浮かぶコテージがありますが、うんちの処理はどうなっているんだろうか、とか、地下深い地下鉄の駅の下水はどうなってるのか。水は高きから低きへと流れるわけで、あの深さでどう処理されているんだ――、改めて考えるとよく分からないまま生きてるなと思ったんですね。そういったことを箇条書きにして企画書を作り、神舘君が新潮新書から本を何冊も出しているため、新潮社に持ち込むことにした。古巣の文藝春秋に持ち込むと、気兼ねしてお互いに言いたいことが言えなくなるだろうと思って。
神舘 実は、いつもお世話になっている編集長に持ち込んだところ、うんちというテーマゆえ眉をひそめられてしまいました。ところが、編集長が編集部の人たちに意見を聞いたら、全員が面白いと賛同してくれたそうで、正式にGOサインが出ました。最初に取材をしたのは、横浜の下水処理施設である北部第二水再生センター。ここでは、うんちが生活排水とともに下水道を通って、水再生センターに流れつき浄化されるシステムを取材したのですが、一度目の緊急事態宣言が発令される直前だったため、あと少し遅かったら、今もまだ取材できていないかもしれない。つまり、この本はまだ出ていなかったかもしれません。
西川 横浜の下水処理施設の取材って、6月じゃなかったっけ?
神舘 緊急事態宣言の前ですよ! 適当すぎますって!(笑) 東京23区・川崎・横浜に取材依頼をして取材のOKはもらったのですが、コロナの感染被害が広がり、東京23区と川崎は難しくなり、ギリギリのタイミングで横浜だけ取材ができたのです。
ーーインタビューの続きは絶賛発売中のBUBKA4月号にて!
にしかわ・きよし
1952(昭和27)年生まれ。和歌山県出身。上智大学外国語学部仏語学科卒業後、77年文藝春秋入社。「週刊文春」「Number」編集部を経て「CREA」「TITLe」編集長に。2018年副社長で退職。こうだて・かずのり
1962(昭和37)年東京都生まれ。著述家。音楽をはじめ多くの分野で執筆。『墓と葬式の見積りをとってみた』『ジャズの鉄板50枚+α』『25人の偉大なジャズメンが語る名盤・名言・名演奏』など著書多数。
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