【BUBKA5月号】杉作J太郎が緊急提唱!「 さらば、全てのサブカルチャー。」

90年代から日本のサブカルチャーを牽引してきたアニメ『エヴァンゲリオン』が今年、ついに完結! それだけではない。近年「プロレス」「ゲーム」など、これまで〝サブカル〞の範囲とされていたジャンルもサブカルから程遠いジャンルへと変貌した。いま何が起きているのか? 杉作J太郎がこれに答えるとともに、いま向き合うべき新カルチャーを提唱する。

エヴァとの出会い

 今回の『シン・エヴァンゲリオン劇場版ii』(以下、シン劇場版)で作品が完結しましたが、いやあ〜、これ以上、終わりようがない完璧な終わりでした! 僕としては完結編を焦ってもいなかったし、ここまでをたまらなく長いとも思ってもいなかったんですけど、そんな僕でも鑑賞後には「待っていて良かった!」と素直に思える作品でしたね。

 僕が『エヴァンゲリオン』に触れるきっかけは東映なんですよ。ある仕事で東映京都撮影所に行った際、プロデューサーの日下部(五朗)さんが、東映の関係者さんたちに「君ら『エヴァンゲリオン』観たか? ワシぁ観たけどな、全然わからんかったわ」とおっしゃっていたんです。それを聞いて「ああ、日下部さんくらいの人になると、全然興味がない作品でも話題になっているものはしっかり観られるんだなあ」と思ってね。自分が怠けていたことを反省して「これは観なければいけない!」と思ったんですよ。そのタイミングで観たのが『新世紀エヴァンゲリオン劇場版シト新生「DEATH編」』(1997年3月公開)。そのときはまだテレビシリーズ(1995年)を観ていないので、当然ストーリーは良く分からないんだけど、どうやら「綾波レイ」と呼ばれている女性がものすごく可愛いということは分かったんですね。レイを演じる林原めぐみさんの技術もあったと思うんだけど、あのボソボソした喋り方と意志の強そうな目。そのアンバランスな魅力から僕はもう綾波レイに夢中になってしまったんです。で、その頃『アニメージュ』にいた友人に、『エヴァ』を観たこと、そして「綾波が可愛い」と伝えたところ、その友人が「それが正解だと思います。今みんないろんなことを言っていますけど、杉作さんのその視点を忘れていると思います」と言われたんですよ。その頃はサブカルチャー視点で難解なストーリーの分析が盛んな時期だったからね。

 それからはテレビシリーズを観て、フィギュアを買ったり、綾波のカードを手放さないように持ったりね。当時サンテレビのレギュラーがあったんで大阪と東京を行ったり来たりしていたんですけど、京都を通過するときはカードを抱きしめながら涙していましたからね。「このコを何とか助けなければいけない!」という気持ちでした。なので、僕のエヴァの歴史は綾波さんへの恋心から始まっているんです。正直、対女性で考えると、ルックス的にもアスカのほうが好きなんですよ。気が強くて手に負えない女の人のほうが直接的に響いてくるんですが……それでも「綾波を助けなければいけない!」でした。

 その後、綾波が地球よりも大きくなったり、いろんなことがありましたが、今回の『シン劇場版』でまさかの完全完結したわけですよ。もうね、心の底から庵野監督や全てのスタッフに対して「本当に良かった」と思いましたよ。


――インタビューの続きは絶賛発売中のBUBKA5月号にて!