【BUBKA 10月号】 プロレス界最大の謎が明らかに―― タイガーマスクと呼ばれた男 佐山サトル “沈黙の理由” 『真説・佐山サトル タイガーマスクと呼ばれた男』著者・田崎健太インタビュー
プロレス界最大の“謎”とされていた、佐山サトルがプロレスから離れ、自ら築き上げていた総合格闘技から離れた理由。これまで、ブラックボックスとなっていたUWF、シューティングの真実を、孤高の虎と向き合ったノンフィクション作家・田崎健太に聞いてきた。
ソースは東スポ
――話題の新刊『真説・佐山サトル タイガーマスクと呼ばれた男』について伺いたいんですけど、『BUBKA』では先日、柳澤健さんにも出てもらったんですよ。
田崎 柳澤さんの著書『1984年のUWF』の話ですか?
――はい。柳澤さんはその本で、UWFがいかにしてプロレスから格闘技になっていったかの現象を掘り下げて、田崎さんはその最大のキーパーソンである佐山サトルという人物を掘り下げたわけですけど。UWFという30年前の話が未だ熱く語られるというのは、それだけ多くの人に思い入れがあるんでしょうね。
田崎 そうでしょうね。この本が出る頃には終わってますけど、僕と柳澤さんでやるトークショーも120人入る会場がソールドアウトですよ。
――ある意味、レスラーがやるトークショーより集客力がある。それって、レスラーの言葉より田崎さんたちが語る内容の方が、より真実に近いからって理由なんですかね(笑)。
田崎 プロレスラーは嘘つきですからね(笑)。
――ファンタジーが多分に混じってるというか(笑)。
田崎 まあ、嘘つきという言い方は冗談ですけど。話を面白くしたいんだと思うんですよ。「ここがウケるな」と思ったら、そこを膨らませて語る。一方で、その膨らませた話が史実になっていく怖さは感じています。
――だから同じ事象を聞いても、証言が食い違うんですよね。
田崎 それがプロレスをノンフィクションで書く難しさなんですよ。
――田崎さんは、その事象を検証しつつ、色々な証言を並べて一番真実に近いものを採用されているわけですか?
田崎 その通りです。プロレスの記事を資料として使う場合も、記者や編集者の主観が入らないものをなるべく採用してます。で、数あるプロレス記事の中で、じつは一番あてになるのが東スポなんですよ。
――と、東スポですか!?
田崎 東スポって「日付以外はすべて誤報」とか、浅草キッドによくネタにされてましたけど、「猪木が◯月◯日の◯便でアメリカに行った」とか「◯◯ホテルで誰と会談を持った」とか、日付まで正確に記載されてるんですよ。それを並べていくと、見えてくるものがあるんです。日付は嘘をつかないから。だから、そこに関して、プチ鹿島さんの連載のタイトルじゃないですけれど、僕も〝ソースは東スポ〞ですよ(笑)
―― 田崎健太氏のインタビューの続き、そして『Uインターの頭脳』 宮戸優光氏へのインタビュー内容は絶賛発売中のBUBKA 10月号にて!
たさき・けんた
1968年京都市生まれ。ノンフィクション作家。『週刊ポスト』編集部を経て、スポーツを中心にノンフィクション作品を執筆。主な著書に『球童 伊良部秀輝伝』『維新漂流 中田宏は何を見たのか』『ドライチ』『真説長州力』など。
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