【BUBKA 11月号】 伊賀大介(スタイリスト)×中溝康隆(プロ野球死亡遊戯) ジャイアンツを愛する男の熱狂野球談義 「さらば村田修一、そして原巨人の終わり」
横浜で本塁打王に二度輝き、FAで巨人へとやってきた村田修一の最後の地はBCリーグの栃木だった。どんな時も「村田さん」に声援を送り、数多くのコラムで彼について書き続けてきた『プロ野球死亡遊戯』の中溝康隆と、熱烈な巨人ファンとして知られるスタイリスト伊賀大介の二人が、夜の喫茶店で背番号25と原巨人に想いを馳せながら、とことん語り尽くす!
【いじられ役の転校生】
――「村田修一もついに引退か」と思った時に、「プロ野球死亡遊戯」や「Number Web」などで中溝さんが書いている村田の記事が頭に浮かびました。そこで今回は、中溝さんの野球観戦仲間である伊賀さんとの対談という形で、いろいろとお話をしていただこうと思います。
伊賀 中溝さん、引退試合を観に行ってきたんですよね? どうでした?
中溝 小山運動公園野球場に6025人も集まって、客が並びすぎて売店のおばちゃんとかもパニックになっていましたね。本当に地元を挙げてのお祭りって感じで、市長の挨拶があったんですけど、袴姿で噛みまくって、しかも最終的に感極まって号泣していました。わけわかんない(笑)。
伊賀 独り相撲(笑)。
中溝 でも、なんかその手作り感が良くて。グッズもみんな一人1万円くらい買っていましたね。あれが来シーズンの栃木ゴールデンブレーブスの資金になると思うと大きいし、村田さんは栃木に行って正解だったなと思いましたね。宣伝効果を考えると、貢献度はかなり大きいです。
――BCリーグという名前も村田がきっかけでかなり浸透しましたよね。
伊賀 香川(真司)が行くまでブンデスリーガを観ていなかったのと同じで、これから観る人も増えるかも。
中溝 まぁ、もちろん本当はNPBに戻ってほしかったんですけどね。
伊賀 ここまで手を出さないかってくらい全然、NPBのチームから声がかからなかったですよね。ロッテとか楽天とかいけば良かったのにと思いますよ。アマダーがドーピング検査に引っかかった後、すぐに獲りにいけば良かったのに。
中溝 引退翌日の報知の記者コラムに「あるチームに自ら打診したんだけど、門前払い食らった」って書いてあって。たぶん自分で売り込んだんでしょうけど、それでも決まらなかったみたいで。
伊賀 ヤクルトですか?
中溝 ヤクルト、もしくは横浜とかだと思います。
伊賀 もしくはロッテとか。いずれにしても家族がいるから、関東でしょうね。
中溝 実際に栃木の小山市に行くと、なかなかハードな環境で。やたらとでかい中古車屋やラーメン屋がある、典型的な関東の田舎町の風景なんですけど、俺がもしあそこで半年間頑張れって言われたら、しんどいんじゃないかって気がします。37歳単身赴任って、厳しいものがありますから。
伊賀 ちょっと前まで2億くらいもらってた人がね。
中溝 そういう環境でシーズン終了までBCリーグでやり遂げたことで、またさらに村田さんを好きになりました。NPB移籍のデッドラインの7月に引退しても良かったのに、最後までバックれなかったじゃないですか。そういうところが村田さんがチームメイトから慕われる理由なんだと思います。
―― 続きは絶賛発売中のBUBKA 11月号にて!
なかみぞ・やすたか(プロ野球死亡遊戯)●1979年埼玉県生まれ。大阪芸術大学映像学科卒。ライター兼デザイナー。2010年10月より開設したブログ『プロ野球死亡遊戯』は現役選手の間でも話題に。『文春野球コラムペナントレース2017』では巨人担当として初代日本一に輝いた。ベストコラム集『プロ野球死亡遊戯』(文春文庫)が好評発売中!
いが・だいすけ●1977年、東京都生まれ。22歳でスタイリストとしての活動を開始。『MEN’S NON-NO』や『smart』といったファッション誌、映画『モテキ』『バクマン。』 90などのヒット作、東京事変や銀杏BOYZら音楽家との仕事のほか、広告・舞台と幅広い分野で活躍中。また、音楽や映画、印刷物にも造詣が深いことでも知られる。
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