【BUBKA 12月号】吉田豪のBUBKA流スーパースター列伝 レジェンド漫画家編 vol.16 「進め!!パイレーツ」 江口寿史 インタビュー
高い画力による洗練された画風で評価される江口寿史。
それと同時に遅筆や連載中断にまつわる様々なエピソードを持つことでも知られる江口。
現在は主にイラストを手がけている江口が今後新たな漫画を描くことはあるのか!? ということも含めて、その漫画家人生を吉田豪がじっくりと聞いた!
水面下で必死にもがく白鳥のような毎日?
――ボクぐらいの世代はみんなそうだと思いますけど、江口先生の影響は死ぬほど受けてきて、『すすめ!!パイレーツ』の第1巻からリアルタイムでずっと買い続けてます!
江口 ホントですか、ありがとうございます。長いことやってしまいました(笑)。
――ベテラン感がぜんぜんないんですよね。
江口 そうなんですよー(笑)。自分でも気持ち的にはまだ半端だなっていう。絵はずっと描き続けてるけど、他の先生たちみたいにはちゃんと漫画を描いてないというのがなんか……肩身が狭い。
――漫画家を名乗りづらい(笑)。
江口 そうなんですよね。かといって漫画家の看板をおろして「イラストレーター」とも言い切りたくない。
――小林よしのり先生と話してたら、ポロッと「江口が」とか「秋本(治)(注2 )が」みたいな話が出ることがあるんですけど、同じ時期に同じ雑誌でギャグ漫画を描いてた人たちの人生の違いが相当すごいなと思ったんですよ。
江口 この3人が『ジャンプ』出身っていうところが、またすごいですよね、その振り幅の広さが。
――その3人を比べても、誰の人生が正解なのかがわからないと思って。デビュー作がいきなり当たって同じ作品を描き続けるのが正解なのか、まったく違う方向で言論活動をするのが正解なのか。正直、江口先生が一番優雅に生活していて正解にも見えるんですよ。
江口 ね、そういうふうに見えるんでしょ? ホントにそう思われてるんですよねー。遊んで楽して生きてるって思われてるみたいですけど、とんでもないですよ! 内実はずっと火の車ですから!
――労働時間も短そうなイメージあります。
江口 そんなことないですよ! 毎日毎日寝る時間を削ってやってるわけではないですけど、やり出すといまだに24時間ずっとやり続けとかもありますから。ただ最近は徹夜が絶対できなくて、前よりは健康的ですけどね。
――描くのが速いせいもあるんですかね。イラストもサラサラっと描くじゃないですか。
江口 そんなことないですよ!! 俺がどんだけ苦労して描いてると思ってんですか! ペン入れはたしかに速いけれど、下描きが異様に時間かかるんですよ。白鳥のように表面は優雅に見せてるけど、水面下ではめちゃくちゃあがいて描いてるんですよ。すべての作品に時間かかってますから!
――インタビューの続きは絶賛発売中のBUBKA 12月号にて!
江口寿史 1956年熊本県生まれ。1977年「週刊少年ジャンプ」にてデビュー。代表作『すすめ!!パイレーツ』『ストップ!!ひばりくん!』『エイジ』など。斬新なポップセンスと独自の絵柄で漫画界に多大な影響を与える。80年代からはイラストレーターとしても多方面で活躍。1992年短編集『爆発ディナーショー』で第38回文藝春秋漫画賞受賞。2015年画集『KING OF POP』(玄光社刊)を発売。それにあわせキャリア初となる全国巡回の作品展『江口寿史展 KING OF POP』を1年半にわたり開催。2018年最新画集『step』(河出書房新社)を発売。金沢21世紀美術館において『イラストレーション展 彼女』を開催した。
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