【BUBKA 12月号】話題の著者に直撃取材する新連載! BOOK RETURN 第一回 玉袋筋太郎 『粋な男たち』

ブブカがゲキ推しする“読んでほしい本”、その著者にインタビューする新企画がスタート! 記念すべき第一回は、『粋な男たち』を上梓した玉袋筋太郎氏が登場。カッコいい大人になるには、“半径3メートルにいる偉人に気づくこと”。

玉袋流の皺の刻み方、伝授します!

ビートたけしから八百屋のおっちゃんまで、超バラエティに富んだ“粋な男たち”を見ているんだから、オレって幸せもんですよ。

――いきなり無粋な質問で恐縮なのですが、初対面の方は何てお呼びするのが正しいのでしょうか? 皆さん、迷われると思うんですよね。

玉袋 ナハハハハ、野暮だね~。でも! それって俺の中ではリトマス試験紙なんだよね。「玉ちゃん」「玉さん」なのか、「玉袋さん」なのか、「筋太郎さん」なのか。これって不思議なもので、浅草キッドも同じ。スタッフさんが、俺たちのことを「キッド」「キッドさん」「浅草さん」って具合に、どう呼ぶのかで、だいたいの距離感が分かる。経験則として、「浅草さん」って呼ぶ人たちとは、大概仕事がうまくいかなかったね! 

――では、本日は恐縮ながら「玉さん」と呼ばせていただければ(笑)。

玉袋 せっかく“玉袋筋太郎”というふざけた名前なんだから「踏み絵」として使わないとさ。「玉袋さん」って言ってくれるのはありがたいんだけど、5文字だから言いづらいでしょ!?〝小笠原さん”でさえ言いづらいってのに、わざわざ〝たまぶくろさん”なんて呼ばれた日には申し訳が立たないよ。この芸名をどう受け取ってくれるのかなってだけで、ある程度その人との距離感が分かるわけで、本当にいい芸名を頂いたなって思いますよ。

――新刊『粋な男たち』では、あえて〝粋”に特化して綴られています。なぜこのテーマを選ぼうと?

玉袋 世の中には、「それを言ったらおしまいよ」ってことがあるじゃない。ところが、昨今は「そこまで言う?」「言わないと分からない!?」ってことが増えてきて、気になっていたの。その一方で、やっぱり「言わなきゃ分からない機会が増えてきたから言いたくなる」ことも増えている。今でも自問自答の毎日だけど、言うべきか言うべきじゃないのかってことを考えながら、自分なりに〝粋”をとらえてみた一冊ではあると思うんですよね。

――たしかに、野暮や無粋な人たちが増えているとは感じます。

玉袋 ぶっちゃけるとさ、〝いなかっぺ”が多いってことを伝えたい部分もあるの。地方出身者をバカにしてるわけじゃないのよ。都会、田舎なんてものは関係なくて、距離感やペースを自分勝手に破いて、「うわ~アイツ、やっちゃってるよ!」って言いたくなる人たちがいるじゃない? コンプライアンスだのなんだの息苦しくなっている部分はあるかもしれないけどさ、それとこれとは別! まぁ、足場がどんどんどんどん狭くなって、まるで世の中が「風雲!たけし城」の竜神池みたいになっちゃってるってのも問題だとは思うけどさ。

――きちんと着地したのに沈んでしまう飛び石もあるという……。

玉袋 とにかく不安定だよね。だから、ブレていない人を見ると痺れるよね。こうい

う世の中になると、何が正論で、何が正論じゃないのかもぐちゃぐちゃになってくる。

それゆえ、窮屈さを覚えてしまっている人たちも、たくさんいると思うんですよ。昔

だったら正論だったのに、今では正論じゃないみたいなこともたくさん増えてるでし

ょ!? このままでは肉食恐竜みたいな無頼漢が、絶滅危惧種になっていくんだろうなって危機感もあったの。そういったことを本を通じて届けられればいいなって。


――インタビューの続きは絶賛発売中のBUBKA 12月号にて!


玉袋筋太郎...1967年、東京都生まれ。高校卒業後、ビートたけしに弟子入りし、1987年にお笑いコンビ「浅草キッド」を結成。芸能活動のかたわら、多数の本を手がけ、『新宿スペースインベーダー 昭和少年凸凹伝』(新潮文庫)で小説家デビュー。一般社団法人「全日本スナック連盟」を立ち上げ、自ら会長を務めるなど多岐にわたって活躍中。