【BUBKA 1月号】武道館に立った川崎のラッパー・BAD HOPとは? TRACK2 hime(lyrical school) インタビュー

川崎出身の8 人組HIPHOPグル―プ:BADHOP。幼馴染で構成され、年齢は平均23歳という若さながら、同世代の若者を中心に圧倒的な支持を受け、「新世代のニュ―ヒ―ロ―」という言い方すら陳腐に感じるような、既に社会現象とも言える旋風を起こしている彼ら。正規でリリ―スされた音源は二枚のみで、様々な客演や特定のショップへ音源「投下」、そしてYou Tubeといった、既存の音楽ビジネスからすると、非常にゲリラ的とも言えるアプロ―チにも関わらず、2018 年10月には武道館でのワンマンを即日完売させ成功させた。その武道館を「ルポ川崎」などを通しBAD HOPを見つめてきたジャ―ナリスト/ライタ―の磯部涼は、そして弱冠二十歳の現役女子大生でありアイドルであるlyrical schoolのhimeはどう感じ、どう観たのだろうか。

武道館で友達と遭遇

―― 先日、リリスクのト―クイベントの司会をさせて貰った時に、お客さんから「告白されるならどんなシチュエ―ションがいい?」という質問があって、他のメンバ―はディスニ―ランドとか言う中、himeさんは「BADHOPのライヴの帰りがいい」と言ってて。

hime 言ってましたね(笑)。完全にどうかしてますね……。

―― その自覚があって良かったです(笑)。そんなhimeさんにBADHOPの魅力を伺いたいんですが、まずBADHOPとの出会いは?

hime それを実は全然覚えてなくて。BADHOPは大好きなんですけど、夢中になって追いかけてるかって言われたら、そういう感じでもないんですよ。でも、音源はほぼ聴いてると思うし、今回の武道館で演った曲も、みんな歌詞をなぞる事が出来て。

―― じゃあライヴのラスト「Kawasaki Drift」での、T―Pablowの「川崎区で有名になりたきゃ」に続いて……。

hime もちろん「人殺すかラッパ―になるかだ!」って叫びましたよ(笑)。でも、学校に行くときも、家でも聴くし……だから、いつの間にか日常にあって、今も日常にあるって感じなんですよね。多分、私も川崎市民だからだと思います(笑)。

―― 市の歌として(笑)。

hime 友達とドライヴに行くときも聴くし、みんな歌えるんですよね。

―― 友達もみんな聴いてるんだ。

hime 多いですね。CreepyNutsとBADHOPはみんな聴いてて。だから、今回の武道館も、大学の友達とかゼミの先輩とか、いっぱい友達に会ったんですよ。示し合わせてもなかったし、みんな聴いてるけど、ライヴに行くほど熱心だとは思ってなかったから、余計にみんながいることに驚いて。学校でラップの話が出来る友達もいれば、普段はそんな感じじゃない女の子もいたりして。

―― それはスゴく興味深い。

hime 「このライヴが人生で初めてのライヴ」っていう子もいて。最近の子ってCDも買わなければライヴにも行かないんですよ。

―― 君も最近の子だけれども(笑)。

hime YouTubeで見るからライヴにわざわざ行かないって人も多いんですよ。でもBADHOP初武道館はみんな行こうって思ったみたいで。


―― インタビューの続きは絶賛発売中のBUBKA 1月号にて!


hime
アイドルラップユニットの草分け的存在・lyrical schoolの最年少メンバー。両親がヒップホップ好きという、毛並みから違う知識とスキルをジェンガのように積み上げ、周りを振り切るラップ狂。母はVingo推し。


BAD HOP
双子のT-PablowとYZERRを中心に、Tiji Jojo、Benjazzy、Yellow Pato、G-K.I.D、Vingo、Barkで構成される。従来の音楽ビジネスにとらわれない無料のDL音源・CDで、「日本で一番空気が悪い場所」と言われる地元・川崎区から全国にその名を知らしめる。初の全国流通アルバム『Mobb Life』(2017)、EP『BAD HOP HOUSE』(2018)はともにiTunes総合チャートで1位を獲得した。