【BUBKA 2月号】吉田豪のBUBKA流スーパースター列伝 レジェンド漫画家編 vol.18 『マッドメン』 諸星大二郎 インタビュー

人間性か……そこは一番言いようがないというか見せたくないところなんだけど

伝奇、SF、ホラー、歴史もの、ギャグなどなど、長いキャリアの中で幅広いジャンルの作品を手掛け、どの作品でも唯一無二の個性を発揮して、漫画界に確固たる地位を築いている諸星大二郎。その作品は多くのマンガ好きから高く評価されているが、作者本人のキャラクターはなかなか見えてこない。諸星大二郎の人となりに吉田豪がじっくりと迫った!

インタビューは好きじゃない

――本は全部読んできてずっとお会いしたかったんですけど、まさかインタビューを受けてもらえると思わなかったので驚きました。

諸星 あぁ……そうですか……。今回もインタビュー受けなくてもよかったかな(笑)。

――インタビューはお好きなんですか?

諸星 いや大嫌い(あっさりと)。

――だからあまり受けないんですね。

諸星 うん、なんかね。なんとなくグズグズと「じゃあまたいつか」って感じでやってると、気がついたら受けることになっちゃう。

――ホントに申し訳ないです! なので、夢が叶ってうれしい気持ちと、インタビューが成立するか不安な気持ちが同時にあって。

諸星 まず成立しないから(あっさりと)。

――あ、しないんですか(笑)。

諸星 いつもそう言ってますけど……。

――そもそも話すのが苦手なんですか?

諸星 うん、対談のときは「しゃべりませんよ」って言ってオファーを受けるし、インタビューも「面倒なことは答えません」って言ってるんで、どうなるかわかりませんが。

――面倒なことっていうのは具体的には?

諸星 「あなたの作品のナントカはどうやって作るのか」とか「作品のポリシーはどうだ」とか、そういう面倒くさい質問(笑)。

――どういう質問なら答えやすいですか?

諸星 なんですかね、朝は何食べたかとか。

――それでいいんだったら良かったですよ! ボクは今日、雑談をしに来てるんで(笑)。

諸星 考えないで答えられる質問なら。

――了解です。たぶんインタビューする側がみんな好きすぎるんだと思うんですよ。思い入れが強すぎて神格化しちゃってる感じで。

諸星 ……そうなんですかね。

――ボクはもともと小~中学生ぐらいのときに『月刊OUT』で先生を知って。だから最初はナンセンスギャグ漫画家だと思ってて。

諸星 はあ、『OUT』……ですか?

――あんまり覚えてないですか?

諸星 そういえばずいぶん昔、変なもん描いてたな……あれは描いたわけじゃないけど。

――描いたわけじゃないんですか?

諸星 来られてうるさかったから、適当に前に描いたヤツを渡したら載せられちゃって。

――そんな経緯だったんですか! タッチがぜんぜん違う、すごいラフな絵でしたしね。

諸星 いろいろやってたからね。


――インタビューの続きは絶賛発売中のBUBKA 2月号にて!


諸星大二郎
1949年7月6日生まれ。東京都出身。1970年に『COM』に掲載された『ジュン子・恐喝』で漫画家デビュー。1974年に『生物都市』で第七回手塚賞を受賞。同年、『週刊少年ジャンプ』で『妖怪ハンター』を連載。1983年には『月刊スーパーアクション』で『西遊妖猿伝』の連載を開始。同作は掲載誌を変えながら、今も連載が続く大長編となっている(現在は『月刊モーニングtwo』で断続的に連載)。