【BUBKA 6月号】中溝康隆(プロ野球死亡遊戯)愛と幻想の原辰徳 第6回「平成最後と令和最初の日も」
元ファンからコラム日本一に輝いた最強野球ライター
中溝康隆(プロ野球死亡遊戯)が書き綴る「2019年の若大将」
令和の流行は”もち麦"だ。
「わーすごい華だね。これだとビールまで進んじゃうね。あーおいしい。このご飯もすごくおいしい。これおこわ? 僕ね家でよくこの頃食べてるのが、もち麦。食感も悪くないし、腹持ちもいいし、すごくヘルシー。もち麦って食感が良くてね、いいの結構。ヘルシーさも増すんで、我々60歳くらいとか、女性なんかね。とても糖質が少なくなるという点で良いのではないかなぁと思います。かなり受けるんではないかなと。喜ぶ人たくさんいるような気がするんですね。あぁ、ありがたい。ミートボールがあるっていうのもいいですね。いいねぇ! このちょっとがいいねぇ。天ぷらもね。うん、日本の食が凝縮してる感じがあるね。その中でヘルシーさが出てるしね。ここにもち麦がプラスされると画期的なお弁当になるね。むっふっふっふ。おいしいもの食べる時って笑うんですね。おいしい。ホントおいしい! 完璧」
いきなりジャパネットたかたテレビ通販の完全ガチリポートではない。原辰徳がかます巨人軍公式の『原監督のヘルシー和懐石重』宣伝動画である。選手プロデュース弁当と言ってもほとんどの選手は、用意されたものを食べ比べてひと言ふた言の感想を喋り「じゃあこっちで」というのが普通の流れである。だが、タツノリは違う。巨人選手がCMに出まくる時代にど真ん中でスーパースターをやっていた男を舐めてはいけない。カメラを意識した大げさな顔芸に話術、ひとり次元が違うクオリティ。それは坂本や岡本の素っ気なさとは対照的だ。喋り倒した後に「ボク、食レポもできるね、はっはっはっは」と笑ってみせる余裕まである。思わず、乗せられて東京ドームで2000円を握りしめて原監督弁当を買ってしまう俺がいた。ここでコンビニおにぎり15個買える値段じゃねえか……なんて突っ込みは野暮だろう。やっぱり冷えたコーラ片手に野球場で食う弁当は美味いぜ。
気が付けば開幕から1カ月以上経過。2019年の原巨人は王者・広島相手に丸の4打席連続三振というまさかの黒星発進だったが、その後連勝してマツダスタジアムでは17年7月5日以来634日ぶりの勝ち越し。本拠地開幕カードの阪神戦を3連勝の爆勝でハイ優勝! なんつって自信が確信に変わった巨人ファン多数(俺)。強力打線といまいち心もとない投手陣で、その後は一進一退の戦いが続くわけだが、春一番のタツノリ名言が大量生産されている。
――インタビュ―の続きは絶賛発売中のBUBKA 6月号にて!
なかみぞ・やすたか(プロ野球死亡遊戯)
1979年埼玉県生まれ。大阪芸術大学映像学科卒。ライター兼デザイナー。2010年10月より開設したブログ『プロ野球死亡遊戯』は現役選手の間でも話題に。『文春野球コラムペナントレース2017』では巨人担当として初代日本一に輝いた。ベストコラム集『プロ野球死亡遊戯』(文春文庫)が好評発売中!
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