【BUBKA 7月号】《乃木坂46『Sing Out!』総力特集》 池田一真(映像ディレクター)インタビュー「群衆を巻き込んでいく強さを描いた」

14歳だった齋藤飛鳥が初めてセンターを務めた楽曲『扇風機』。

そのMVを手がけたのは、『シンクロニシティ』や『サイレントマジョリティー』で知られる、映像ディレクターの池田一真だった。

あれから6年の月日が流れ、再び2人が生み出したMVは、ストイックかつ洗練された映像となり、集団と個の魅力が融和された乃木坂46の現在地を示した。

メンバー独自の解釈

――池田監督が齋藤飛鳥さんセンター曲のMVを手がけるのは、『扇風機』以来6年ぶりとなります。

池田 当時は確か14歳くらいでしたよね。雰囲気がちょっとミステリアスで、不思議な空気を持っている子だなと思いました。『扇風機』には思い入れがあって。僕、団地育ちなんですけど、団地って部屋の形とか間取りがみんな同じじゃないですか。でも、部屋ごとにそれぞれ個性があって、友達の家に行くと家具の位置とかカーテンの色で別の景色を作っている。その感じをアイドルに置き換えると面白いなと思ったんです。あのときはセンターが飛鳥さんということで、もしかしたらそういう不思議な世界がハマるのかなと思ったら見事にハマって。当時、乃木坂46で仕事した中で一番好きなMVですね。

――そうだったんですね。確かに飛鳥さんはアイドルのわりに気怠さとか、独特な空気を持ち合わせた存在ですし。

池田 ボーっとしている表情も意味深に見えるというか、捉えどころのない雰囲気で、だから僕も「何を考えているんだろう?」と思いながら作品の中での彼女のキャラを作っていったんです。

――そこからの『Sing Out!』になるわけですが、今回はどういう流れであのMVにたどり着いたんでしょう。

池田 僕がMVのディレクターということを伝えられてた時に、Seishiroさんが振り付けであると教えてもらいました。『シンクロニシティ』をやった感じが良くて、そういう叙情的なものをダンスで表現する映像がいいのかなと思っていたんです。あれから1年経っているので、僕の中でも何となく乃木坂46でやりたいことをぼんやり考えていたんですけど、まさかこういうゴスペル的な強い曲だとは思ってもみなくて。これまでの乃木坂46の雰囲気でもないし、「こうきたか!」と。そこから色々な人たちと連絡を取りあって、詰めていきました。


――インタビュ―の続きは絶賛発売中のBUBKA 7月号にて!


いけだ・かずま
1979年生まれ。実写、CG、アニメなど、手法にとらわれないディレクションで様々なジャンルの映像コンテンツを制作。アイドルMVでは過去に乃木坂46『制服のマネキン』『シンクロニシティ』や欅坂46『サイレントマジョリティー』などを手掛けている。