【BUBKA 7月号】欅坂46 3rd YEAR ANNIVERSARY LIVE 日本武道館公演レポート「研ぎ澄まされた世界観 混じり気なしの90分間」

「遂にここまで来たか欅坂46……」というのが率直な感想だ。MCは必要最低限、ユニット曲は一切なし、代表曲とも言える『サイレントマジョリティー』『不協和音』は披露されず、最新のリリース曲である。

『黒い羊』は最終日のみの特別仕様。さらにはアンコールにも応えなかったのだから驚いた。物の見事に自分のたちの世界観を構築し守り抜いた。欅坂46の3周年ライブを振り返る。

写真/上山陽介

終わりから始まる

 それはわずか90分の衝撃だった。

 5月9~11日に日本武道館で開催された「欅坂46 3rd YEAR ANNIVERSARY LIVE」(以下、アニラ)のことだ。

 今回のライブは、昨年1~2月に開催予定だった同グループの公演が平手友梨奈の負傷により開催困難となり、けやき坂46(現・日向坂46)が代役を務めているが、同所でのリベンジ公演という意味もあった。だが、公演中、そんなことを思い出したファンは誰もいなかっただろう。観客の目に飛び込んできたのは、あまりに強烈で純度が高い世界。欅坂46は、ステージ上で起きていること以外を観客の脳裏に浮かべさせる余裕を与えなかった。

 客席に座りしばらくすると、いきなり「ドーン!」という大きな重低音が鼓膜を刺激した。おなじみの『overture』から始めなかったのだ。

 これはいつもと違う。心してかからなければいけない。この重低音は、「いつもとは何かが違うぞ。その準備はできているか?」という合図だ。観る者にある種の覚悟を問うている。

 M1は『危なっかしい計画』だ。客は無条件に上がる。この曲は、先の大阪公演(4月4~6日)のアンコール2曲目、つまり最後の曲。大阪と東京がつながっていることを示唆しているということか。

 曲が終わると、キャプテンの菅井友香が語り出す。

「今日はありがとうございます。3rd YEAR ANNIVERSARY LIVE、大阪公演はこの『危なっかしい計画』で幕を閉じさせていただきました。今回のライブは大阪、そして東京をまたいでひとつのライブとして完結いたします。この後の東京公演もぜひお楽しみください。以上、欅坂46でした。ありがとうございました!」

 全メンバーは袖にハケる。あたかもライブが終了したかのように。これは大阪のエンディングの再現ということなのか、それとも東京公演のエンディングをあえて冒頭から始めたという、大胆な演出なのか。菅井のマイクがよく聞き取れなかったために、どちらか判別ができなかった(ラストまで観れば、前者ということがわかるが)。いずれにせよ、類を見ない演出である。


―― レポートの続きは絶賛発売中のBUBKA 7月号にて!