【BUBKA 8月号】R-指定(Creepy Nuts)イベントレポート『Rの異常な愛情 VOL.4 ――或る男の日本語ラップについての妄想――』
HIPHOPユニット:CreepyNutsのMCとして活躍するR- 指定。ミュージシャンとして、「フリースタイルダンジョン」の2代目ラスボス、「オールナイトニッポン0(ZERO)」のパーソナリティとしてなど、八面六臂の活躍を見せる彼だが、日本語ラップの研究家としてもその見識は非常に高い。
その彼が日本語ラップを語り尽くすイヴェント『Rの異常な愛情 ──或る男の日本語ラップについての妄想──』の第4回目が開催!
ガタガタ抜かすな
道開けろ雑魚
――第4回『Rの異常な愛情』ですが、今回は「般若」を取り上げるということで。
R‐指定 般若さんから『フリースタイルダンジョン』のラスボスをバトンタッチして頂いたというタイムリーさも含めて、今回は般若さんのラッパーとしての凄みみたいな部分を僕の視点からお話させて頂こうと思って。
――このトークライブの第1回でも、”やっちゃった”を通して般若の凄さを少し話しましたが、今回は改めて般若にスポットを当てて話して頂ければと思います。まずR‐指定くんが般若の作品に触れたっていうのはどういうタイミングだったの?
R‐指定 一番最初に出会ったのはZeebraさんの三枚目のアルバム『TOKYOS' FINEST』。そのアルバムの最後の"GOLDEN MIC (REMIX)feat.KASHI DA HANDSOME,AI,童子‐T,般若" を聴いて「お、めっちゃカッコイイやんこの曲!」って。しかもアルバムが般若さんのヴァースで終わるんですけど、そのヴァースがあまりに衝撃すぎて、正直、聴き終わったら般若さんしか頭に残らなかった。それで「この般若っていう人はなんなん?」って。
――当時はまだ、妄走族のメンバーというイメージのほうが強くて。
R‐指定 ソロ・リリースの前ですもんね。そんな人が感情バリバリに「ガタガタ抜かすな/道開けろザコ」ってラップして。もう、田舎の中学生からしたら「ヤバいヤンキー来た!」みたいな(笑)。「例えばカチコミ/例えばFreeStyle/例えば”Disるな”…ハァ?そりゃ無理ッスわ」ってリリックも、般若さんがどうシーンに出て来たかっていう手段なんですよね、全部。このカチコミっていうのは今でこそ般若さんの自伝で反省していたんですけど、いわゆるマイクジャック、ライヴジャックなんですね。人がライヴしてるところに妄走族が乱入してマイクを奪ってしまうっていう。自伝の中で「当時は俺らはそれしか思いつかなかった」「そこまでやってでも俺たちはやる覚悟でやってるぞっていうアピールでもあった」みたいなニュアンスの話をしてるんですけど、やっぱりやってることはエグい。
―― このイベントにDJオショウが乱入して、「真田人の話させろ!」ってマイク奪うみたいな話だから……まあ、それはそれで面白そうだけど(笑)。
R‐指定 そういう衝撃の出会いだったから、このヴァースしか聴いてないのに、「かっけーっす!」「やべぇっす!」って一発で心つかまれて。もう般若さんの舎弟になった気分ですよ(笑)。その時に同時にレンタルCDショップで借りてたのが、DABOさんの『DIAMOND』。
――"おそうしき featuring. 般若"が入ってたわけだ。
R‐指定 そうです。あの曲はもうむちゃくちゃ色んな人をディスりまくってるんですよね。それでさらに般若さん自体をチェックしないとってことで、『おはよう日本』を借りたんですけど、もうアルバム全曲、俺には衝撃的。イケイケの般若さんのディスる感じもあるし、感情めっちゃ乗ったフロウもあるし、ストーリーテリングの上手さもあるし。しかも、般若さんは元々素養としてヤンキーっていうのを持ってたんですよね。
――イベントレポートの続きは絶賛発売中のBUBKA 8月号にて!
R-指定
大阪府出身のラッパー。高2から梅田サイファーに通いバトルやライブ活動を開始。2012年からMCバトル全国大会UMB で3連覇を成し遂げ、『フリースタイルダンジョン』の初代モンスター・現ラスボスとして活躍。現在はDJ松永とCreepy Nuts として活動中。
般若秋田県大館市生まれのヒップホップMC。96年に活動を開始、98年に“妄走族”の結成に参加。社会に対する鋭く激しい批判を含むハードコアなスタイルで注目を浴びる。2008年に〈昭和レコード〉を設立。テレビ朝日番組『フリースタイルダンジョン』に“ラスボス”として出演。2019年には日本武道館ライブを開催。
INFORMATION
7月26日(金)『R の異常な愛情 VOL.5』高田馬場BSホール
開場19:00 開演19:30
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