【BUBKA 8月号】新日本とUWFの真実 2つの道場で起きていたこととはーー藤原喜明インタビュー

カール・ゴッチがもたらした関節技の奥義は、新日本からUWFへと受け継がれ、総合格闘技への流れを作った。その系譜のあらゆる局面において外すことが出来ない重要人物が藤原喜明である。

アントニオ猪木に愛され、前田日明、船木誠勝といった錚々たる弟子たちに慕われる「組長」がその眼で見てきた真実とは。

写真提供=平工幸雄

カール・ゴッチの教え

――極真空手の"熊殺し"ウィリー・ウィリアムスが6月7日に亡くなりましたけど、80年2月に行われたアントニオ猪木vsウィリー戦の時は、組長は猪木さんのセコンドに付いてなかったんですよね?

藤原 俺、ちょうどフロリダの(カール・)ゴッチさんのところに練習に行ってていなかったんだよ。それ以外の猪木さんの異種格闘技戦のときは、たいがいセコンドに付いたけどね。スパーリングパートナーもやったし。

――でも、猪木さんの全盛期を間近で目撃した人も少なくなりましたね。

藤原 みんな死んじゃったもんな。山本小鉄さんや星野勘太郎さんもそうだし。あとは栗栖(正伸)さんもな。あっ、まだ生きてるか(笑)。

――栗栖さんは大阪で元気にしてます(笑)。組長は先日、70歳の誕生日で古希を迎えたんですよね。

藤原 古希って本当は数えで70歳だから、69歳なんだけどね。で、6年前に猪木さんが古希を迎えたときは、「体中がコキコキする」って言ってたけどな。

――アントンギャグで(笑)。

藤原 俺の場合もコキコキはするけど、もうボッキボッキはしない(笑)。

――残念ながら(笑)。

藤原 まあ、これを言いたかっただけだ(笑)。

――4月27日には都内ホテルで古希のパーティを盛大に行ったんですよね。

藤原 私の誕生日にみんな来てくれてね。

――トークショーも兼ねた会でしたけど、壇上のゲストには猪木さん、前田(日明)さん、船木(誠勝)さんという、超豪華なメンバーが揃って。組長以外でこれだけのメンバーが揃うことはないなって思いましたよ。

藤原 ありがたいことだね。他にもいろいろ来てくれてな。これで葬式やらずに済むだろう(笑)。

――生前葬じゃないんだから(笑)。

藤原 10年後は前田が古希だからね。その時は、俺は80歳だからさすがに生きてないだろう(笑)。俺と前田と船木は、ちょうど10歳ずつ違うんだよ。

――そうなんですね。でも、藤原さんの師匠にゴッチさん、猪木さんがいて。藤原さんの下には、かつての教え子である前田さん、船木さんらがいて。道場での藤原さんによって、この遺伝子がつながっている気がしますね。

藤原 まあ、それは俺が自分から言うことじゃない(笑)。でも、そうかもしれないね。新日本の道場でのスパーリングがなかったら、UWFなんかも生まれてなかっただろうからな。あの練習が楽しかったんだよ。やっぱり人ってさ、こういうやりがいというか、好きなことを見つけるって幸せなことだよな。


――インタビュ―の続きは絶賛発売中のBUBKA 8月号にて!


ふじわら・よしあき
1949年4月27日生まれ、岩手県出身。1972年に新日本プロレスに入門、藤波辰巳戦でデビュー。カール・ゴッチに師事してレスリング技術を学ぶ。1984年にUWFに移籍。新日本復帰、第2次UWF参加を経て、1991年3月にプロフェッショナルレスリング藤原組を旗揚げ。その実力者ぶりから「関節技の鬼」として知られる。現在は俳優業などでも活動。