【BUBKA 8月号】中溝康隆(プロ野球死亡遊戯)愛と幻想の原辰徳 第8回「妥協なき指揮官」
元ファンからコラム日本一に輝いた最強野球ライター
中溝康隆(プロ野球死亡遊戯)が書き綴る「2019年の若大将」
ややビッグベイビーが困っているかなぁ。
一応断っておくが、知り合いのおじさんが五反田の赤ちゃんプレイ専門店での言葉責め詳細をカミングアウトしているわけじゃない。巨人の原監督が昨年から144試合続いた4番バッター岡本和真の6番降格について、スポーツ報知で語ったロジックはまさかの「ビッグベイビー理論」だった。「チームとしての最善策だね。少し精神的に楽なところで岡本を打席に立たせたいと。そんなに深刻に、強く決断したとかではなく、ややビッグベイビーが困っているかなというところで少し助けてあげようかと。(坂本)勇人、丸、頼むぜ!というところだね」
昨季は史上最年少で打率3割30本100打点を達成した岡本に対して、名将はまだ甘いよとデカイ赤ちゃん呼ばわり。そうしたら4番の重圧から解放された背番号25は、交流戦開幕の楽天3連戦で全試合マルチ安打に勝ち越しアーチの働き。するとボスはご機嫌に「結果的にこの3連戦(安打を)何本打ったの? 6? もうビッグベイビーと言えなくなったね」なんつって笑い飛ばし、すぐさま岡本を大人扱いして4番に戻した。わずか3試合のリフレッシュ6番体験入店。結果的に荒療治成功だ。
ここで注目すべきは、岡本が96年6月30日生まれの今年で23歳という事実。つまり、神乳グラビアアイドル都丸紗也華と同学年なのである。あ、ゴメンそこじゃない。つまり、23歳ってことは今年度の大卒新入社員と同じ世代なのである。このコラムを読む読者の会社にも、入社後3カ月近く経過してそろそろバックレ時を考えている元気のないルーキーがいるかもしれない。隣の席のボインも最近ちょっと覇気ねえなぁ……ってそんなあなたに朗報です。気が付けば、後輩が増えたり、歳の近い部下を持ったり色々と悩んでいるなら、最近のタツノリの真似をすればいいんだから。どうしても注意したり叱らなきゃならないお互いに気まずい時間、ガチすぎて重くなりそうなところを「なぁビッグベイビー」からトークを始めたら、ちょっと場が和む。洗体エステで女の子に「あぁ気持ちいいよ、オレのビッグベイビー……」なんて囁いたら軽く出禁を食らうだろうし、同僚の血気盛んな兄ちゃんからは「てめぇ馬鹿にしてんのかコノヤロー」とぶん殴られる恐れもあるが、そうなったら以前この連載で紹介した伝家の宝刀「お前さんを俺はちゃんと見てる」話芸の発動だ。
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なかみぞ・やすたか(プロ野球死亡遊戯)
1979年埼玉県生まれ。大阪芸術大学映像学科卒。ライター兼デザイナー。2010年10月より開設したブログ『プロ野球死亡遊戯』は現役選手の間でも話題に。 『文春野球コラムペナントレース2017』では巨人担当として初代日本一に輝いた。ベストコラム集『プロ野球死亡遊戯』(文春文庫)、初の娯楽小説『ボス、俺を使ってくれないか?』(白泉社)などが好評発売中!
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