【BUBKA 9月号】《いつのまにか、ここにいる Documentary of 乃木坂46』総力特集》岩下力 インタビュー「監督が映した乃木坂46の多幸感とは?」
外側から観察し、内側へと切り込んでいくドキュメンタリーは、フィクション以上に「監督が何を伝えたいか?」が鍵を握る。
乃木坂46のどこに魅力を感じ、何を見せるかは監督の感性に委ねられる部分が大きく、今回の作品にも岩下力の色がしっかりと滲んでいた。彼は乃木坂46の群像の中で何を見ていたのだろうか?
事件性よりも
――乃木坂46を扱ったドキュメンタリー映画は2作目ですが、撮影するにあたって意識したことはありますか?
岩下 目の前でまざまざと起きていることを撮影したいという思いはありました。何かが起きて、それを誰かが事後に言葉で説明するのではなく、例えば大園桃子さんが泣いたとしたら、その瞬間を撮るということです。分析映画にも証言映画にもしたくありませんでした。『スター・ウォーズ』で言うならば、前作が『エピソード4 新たなる希望』で、今回が『エピソード5 帝国の逆襲』。新たな局面を迎える必要がある。それにあたっては、ルークが腕を切られた傷跡を見せるのではなく、切られる瞬間を撮らないと前作に太刀打ちできないと思っていました。それは僕自身が映画に求めるもので、証言やナレーションで伝えきってしまうような描写はするべきではないと思っているんです。できるだけ安直な描写は避ける。「好き」という感情があるならば、その周辺をクローズアップしたい。これはフィクションの作り方だと思うんですけど、そんな新しい表現形態を目指しました。
――今作ではナレーションの代わりに、監督の独白をテロップにしていますね。
岩下 解説は敵だと思っています。最低限のテロップは入れましたが、そのテロップもできるだけ簡素に、かつできるだけ淡白で粋な言い方にしたいというのはありました。
――オフライン版も拝見しましたが、劇場で公開されているものはさらにブラッシュアップされていて、驚きました。
岩下 最後の段階で、「乃木坂46と何をかけあわせると新しくなるだろうか」ということを改めて考え直してみました。そこで考えついたのが、「乃木坂46×おじさん」かな、と。
――つまり、監督ご自身が撮っているということを前に出すという。
岩下 僕という人間が乃木坂46という、よく知らない世界に突入していく。そんなドライブ感をともないながら物語を進めることにしました。
――インタビュ―の続きは絶賛発売中のBUBKA 9月号にて!
いわした・つとむ
1983年生まれ。2005年にTV-CM制作会社入社。広告映像の制作現場に携わる傍ら、自主映像を制作。2008年、ディレクターデビュー。主な作品にポカリスエットTV-CM、午後の紅茶WEBムービー、NISSAN WEBムービー、グリコTV-CM、長編ドキュメンタリー「乃木坂46 BEHIND THE STAGE IN 4TH YEAR BIRTHDAY LIVE」など。
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