【BUBKA 9月号】私立恵比寿中学 10周年記念フェスレポート「横浜で生まれた平和の波」

単独アイドルが主催する史上初の音楽フェスとなった『MUSiCフェス』。約1万人のさまざまなファンが集い、トータル8時間半にも及んだあの宴を客席から観た光景とメンバーたちの言葉で振り返りたいと思う。

🄫中島たくみ

雨の歴史

『永遠に中学生』。

 それがアンコール後、エビ中が歌ったこの日のラストナンバーだった。時計の針は19時半を回っている。夏至当日とはいえ30分ほど前には日没を迎え、カラフルな照明がその威力を遺憾なく発揮するなか、潮の香りがほのかに漂う客席に、いくつもの人工的な波が生まれる。

 右に左に揺れる波の数々。寄せては返し、返してはまた寄せる。それこそ永遠にこの光景を眺めていたい。そんな思いが胸を走る雨上がりの横浜。トータル8時間半以上に及んだ楽しい宴も、まもなく終わりの時を迎えようとしていた。

 最後の曲を歌い上げたエビ中。やがて約1万の聴衆に向かって語りかけたのは、出席番号5番の安本彩花だった――。

 元号が令和となって53日目となる6月22日、土曜日。神奈川県の横浜港に面した赤レンガパークの特設会場で、エビ中こと私立恵比寿中学はグループ初の試みとして音楽フェスを主催した。

「『MUSiC』フェス~私立恵比寿中学開校10周年記念in赤レンガ倉庫~」

 エビ中が開校という名の結成を果たしたのは2009年8月4日のことである。

 初期メンバーは5人。その後、最大13人という時期もあったが、昨年1月からは現行の6人での活動が続いている。

 積み重ねてきたいくつもの感情。いろんなことがあった。みんなで笑った。みんなで泣いた。起伏に富んだ約3600日。

「10年、続けさせていただいていることが本当に感謝です」

 初期メンバーの中ではただ一人の在校生、出席番号3番の真山りかは節目にあたっての胸中を明かす。感謝の二文字は他の在校生にも共通する思い。出席番号7番、星名美怜は言う。

「10年というと長く聞こえますが、実際、本当にあっという間でした。アイドルで10年続けることができるグループって少ないと感じていて、支えてくださるファンの皆様、スタッフさん、家族に感謝の気持ちでいっぱいです」

 14年1月、同11番の小林歌穂とともに転入してきた同12番の中山莉子はこう語る。「たくさん『おめでとう』の言葉をいただく1年で、毎回『エビ中、10年、すごいな』って思います。10周年イヤーはまだまだライブがたくさんあるので、そのなかでいつもお世話になっている皆さんに、たくさんの”ありがとう”を返していきたい」


――レポートの続きは絶賛発売中のBUBKA 9月号にて!