【BUBKA 3月号】 HKT48 朝長美桜 卒業公演レポート「みおたすのアイドル道に一片の悔いなし」
2020年1月15日、朝長美桜がHKT48を卒業した。
順風満帆とはいかなかったかもしれない約7年半のアイドル人生だが、それでも前を向いて突き進んだ。痛みの先に彼女が残したものは何だったのだろうか。
取材の中で見えてきた、彼女なりの「アイドル道」をここに記しておこうと思う。
写真/ⒸAKS
やりきった、と言いきれる理由
アイドルに限らず、雑誌の記事にはあまり私情を挟むものではない、と思う人が多いだろう。しかしBUBKAに関しては昔から「署名記事に関してはおもいっきり私情を挟んでもらって結構! なんなら推しメンを晒して、とことんエモく書いてほしい」というスタンスで執筆のオファーをいただいてきた。
実際、推しを晒し、恥も晒して書いてきたのだが、ここ数年、48グループの中でも手厚く取材してきたHKT48においては、もうデビュー当時から一貫して朝長美桜を推してきた。
とはいえ、BUBKA的な文脈でHKT48を書くとなると、どうしても指原莉乃イズムを掘り下げていくことになる。その主役となるのは1期生の兒玉遥と宮脇咲良であったり、未来を見据えていく記事では矢吹奈子と田中美久の「なこみく」がメインとなってきた。あとはどうしても若いメンバーにスポットを当てることが多くなるので、そこまで朝長美桜について熱く書く機会はあまりなかった。
2016年8月号ではじめて表紙&巻頭を飾ったときにインタビューを担当させてもらったが、それが最初で最後の大特集となってしまった。
なぜならば、その1年半後『制服の芽』公演のゲネプロ中に半月板を損傷。しばらくのあいだ、ステージから離れてしまうことになったから、である。そのケガは相当重く、一時は『二度とステージに戻れないかもしれない』と本人も覚悟したほどだった。
懸命にリハビリを重ねた結果、2018年12月にステージに戻ってくることができた(その日、指原莉乃が卒業を発表。ギリギリのところでラストロードを並走できることに)。翌年には劇場公演にも復帰したが、あくまでも「限定出演」。激しいダンスができるまでには回復していなかったので、数曲だけしか参加することができなかった。
それが朝長美桜にとっては、心の重荷になっていく。
ステージに立てる時間が1曲、また1曲と増えていったが、それを見たファンはさらなる回復に期待し、いつかはすべての楽曲を元気に踊れるように祈っていた。本当に純粋な気持ちからくる応援なのだが、昨年の時点で、もうこれ以上は踊れるようにはならない、と本人はわかっていた。ファンの期待の声はありがたかったけど、その期待に応えることができないことをとても心苦しく感じていた。
昨年の夏、ロングインタビューをする機会があったのだが、その席上、彼女は「卒業」の2文字こそ出さなかったものの、完全にアイドル生活の「まとめ」に入っていることはわかった。
「ケガをして踊れなくなってから、こんなに長く活動を続けているアイドルって私ぐらいですよね?」と笑ってみせた彼女は「ほかにもケガで休んでいるアイドルたちに、ケガをしても焦らなくて大丈夫だよ、ステージ以外にも居場所を作ることはできるし、それを見つけられれば、辛いリハビリにも耐えることができるよってことを伝えられたらいいなって思っているんです」と語った。それこそがケガをしてからの2年間、ずっとやり続けてきたこと。そして、これからやりたいことについても静かに話してくれた。
――レポートの続きは絶賛発売中のBUBKA3月号にて!
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