【BUBKA 3月号】WWEを熱狂させたメジャーリーガーが語る プロレスの本質 TAJIRI
闘うべき明確な“理由”と成り上がりの“願望”を抱えたレスラーたちが、対立構造とストーリーを生み出し続けていたからこそ、昭和のプロレスは面白かった。熱狂が生まれるその過程は、時代を越えても変わらないとTAJIRIは信じている。WWE、ハッスル、SMASH──
選手として、プロデューサーとして幾多のリングを闘い抜いた男が語るプロレス論。
写真提供=平工幸雄
ビンスの教え
――TAJIRIさんの新刊『プロレスラーは観客に何を見せているのか』を僕も読ませていただいたんですけど、すごい反響ありますよね。
TAJIRI ああ、そうですね。おかげさまで。
――こういうプロレスの見方というか、奥深い部分を書いた本を出そうと思ったきっかけはなんだったんですか?
TAJIRI きっかけはですね、あの本を出してくれた出版社の人が、僕の治療院の鍼の患者さんとして来てたんですよ。プロレスも好きな人だったので、僕が治療しながらいろんな話をしていたら面白かったらしくて「それ、本にしませんか?」って言われたんです。
――断片的に聞いた、TAJIRIさんの経験やプロレス論を一冊の本にまとめよう、と。
TAJIRI あと、けっこう僕はツイッターでもそういうことをちょくちょくつぶやいていたんですけど、ツイッターってある意味、監視されてるから、書いてないことも実はいっぱいあったんですよ。
――140字じゃ、言葉足らずになったりもしますしね。
TAJIRI 酔っ払って書くことも多いので、よけいなことを書いてちょくちょく炎上したりもしていて(笑)。
――酒飲んでのツイートは、誤解を招く元ですからね(笑)。
TAJIRI だから、ちゃんとシラフの状態で(笑)、じっくりと考えをまとめて書こうかなと思ったのが今回の本ですね。
――この本では、いわゆるプロレスの内側についても多く書かれてますけど、暴露的な感じはないですよね。
TAJIRI なんも暴露してないですからね。今はもう、一般のファンでもこういう(プロレスのファンタジーを前提とした)話はしてるじゃないですか。
――ぼんやりと感覚でわかってるようなつもりになっていることを、具現化してくれているというか。
TAJIRI わからない人が多くても当たり前なんですよ。もしかしたらこの本に書いたことを、レスラーでもわかってないのが数多くいる気がしますから。だから僕はどちらかというと、ファンよりもレスラーや団体に向けて言っているような気分で書いたんですよね、じつは。
――レスラーや業界関係者に向けて「これを知らなくていいんですか?」と。
TAJIRI あんまりそういう使命感はなかったんですけど、なんか「自分はこうやってたよ」っていうのを言いたくなった、ただそれだけですかね。
――インタビュ―の続きは絶賛発売中のBUBKA3月号にて!
TAJIRI
1970年9月29日生まれ、熊本県出身。94年にI . W. A . JAPANでデビュー。メキシコでの修行後、覆面レスラー「アクエリアス」として大日本プロレスに参戦。渡米後はECWを経て、01年にWWEに入団。世界タイトルを通算5度獲得するなど、「プロレス版メジャーリーガー」として世界的な人気を博す。帰国後はハッスルで活躍の後、SMASH、WNCを旗揚げ。現在は全日本プロレスを中心とした試合の他、執筆や鍼灸師としての活動も。
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