【BUBKA7月・8月合併号】ポストコロナ時代、それぞれの生き残り方 高木三四郎
新型コロナウイルスの影響で大きな打撃を受けた各業界。我々の誰もが、これまでの生活や働き方を見直さざるを得なくなった。今回の特集では、活躍する業界がそれぞれ異なる三名に登場いただき、自粛期間に考え、行動に移した試みや、今後の展望について語ってもらった。2つのプロレス団体を経営し、マット界に常に新しい風を吹かせ続ける“大社長”高木三四郎。試合開催が困難なこの時期に、経営者、そしてプロレスラーとしてプロレスの面白さを追求する大社長を直撃取材!
無観客試合とリモートプロレス
――DDTのコロナ禍の中の動きをあらためて振り返ると、最初の対応は政府による2週間の大規模イベント自粛要請に応じた、2月26日から2週間の大会中止からでした。高木大社長としては、その頃は正直コロナの影響はどのくらいだとイメージしてました?
高木 正直言えば、世界的に広がる前だったので、まだ「中国で起きたこと」って感じで、ここまでの影響力はイメージしてなかったですね。それが3月に入ってイタリアで広まってきたあたりから「これはマズいんじゃないか」と思い出しましたね。
――2月26日の試合中止の発表と同時に、道場マッチの配信も発表と「無観客試合」への対応は早かったですね。
高木 無観客試合を最初に打ち出したのはスターダムさんだったと思うんですけど、僕らも同じことは考えていて。もともと無観客試合という映像ベースの試合の経験は、過去に我々は「路上プロレス」というのをやってきてまして……。
――商店街や本屋・キャンプ場・工場といったリングのない場所でハードコアな試合を行う興行ですね。
高木 あれはほとんど観戦無料でやっていて、チケットで収益化というのが出来ない分DVDで回収するしかなかったんです。だから、お客さんのいないところで映像のみの試合をやることの抵抗はなくて、割とそこはスムーズでした。DDTの選手もあまり抵抗なくやってましたよ。
――特に残念だったのは、6月7日さいたまスーパーアリーナで開催予定だったビッグマッチ「WRESTLE PETERPAN」の中止発表。ただ無料配信のABEMA、有料配信のWRESTLE UNIVERSEという形で2日間開催されました。
高木 3月後半から「出来ないんじゃないかな」というのは現場や制作チームでは思っていて、4月に入ったタイミングで「ほぼほぼ無理だな」という判断になりまして。じゃあどういう形でやるか? というので、WWEが『WRESTLE MANIA』を無観客のTVマッチでやったというのもあって、それをウチらでやってみようという事でまとまりましたね。
――大社長個人としても、コロナ禍の中で初めて選手として無観客試合をやることになりました。
高木 無観客で試合すること自体は、以前東京ドームで鈴木みのる選手と路上プロレスをやったこともあったし、もっと言えばデビュー当時の屋台村プロレスも小さい規模でやってたので、そこまで抵抗はなかったんですよ。マスコミの方や制作チームはいるので、そうした人たちを観客と捉えてやればいい。ただ、マイクアピールってお客さんのリアクションが大事なので、特にぼくのスタイルはお客さんのリアクションを聞いて盛り上がっているか盛り上がっていないかを判断する事が多いので、そこが勝手が違いましたね。
――インタビュ―の続きは絶賛発売中のBUBKA7月・8月合併号にて!
たかぎ・さんしろう
1970年1月13日生まれ。経営とプレイヤーの両面からDDTを支えている社長レスラー。2020年1月29日には、プロレスリング・ノアの運営会社であるノア・グローバルエンタテインメント社の代表取締役社長に就任し、社長業を兼任している。
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