【BUBKA7月・8月合併号】『Rの異常な愛情──或る男の日本語ラップに ついての妄想── 』 若き日のZeebra(完結編)

CreepyNutsのMCとして活躍するR-指定が日本語ラップを語り尽くすイベント『Rの異常な愛情 ──或る男の日本語ラップについての妄想──』。今年2月に行われた第8回目では、Zeebraの初期作を解説! 

先月号に続いて、“不良性”を押し出した2ndアルバム『BASED ON A TRUE STORY』の魅力を語ります。知る人ぞ知る名曲“ 罠” の謎が解明されました!

写真/岡本武志

バスじゃモロ

最後部な奴ら

――先月号の中編では2ndアルバム『BASED ON  A TRUE STORY』の入り口まで話したので、今回の完結編ではその続きから話していこうかと思います。

R このアルバムに収録されている〝CHILDREN'S STORY〞はストーリーテリングものですね。

――いわゆるBED TIME STORYや寝物語、おとぎ話の形式なんだけど、内容はどんどん深刻になって行くんだよね。

R このアルバム自体、ジブさんの体験や見聞きした話がベースになっているんだけど、この話はその中でもフィクション寄りだと思うんですよね。だからこそ、本当にショッキングな話も書けたのかなって。ストーリーテリングはKダブシャインさんも名手ですけど、テイストはだいぶ違いますね。Kダブさんのはドキュメントっていう感じだけど、この曲はちょっとブラックユーモアというか、映画っぽい感じでもあって。

――暗い話ではあるんだけど、陰惨ではないよね。

 最後の〈17歳がとった選択肢 それは17 階からの転落死〉。このワンフレーズで画も浮かぶし、これまでしてきた悪事の天罰みたいなオチが綺麗につくっていう。しかもライミングもいいんですよね。「韻は普通の文章を頭に刻み込むためのとっておきの魔法」とジブさんは言ってたんですけど、この曲も「17」で意味がかかりつつ、「選択肢」と「転落死」っていうライミングと言葉の距離感でよりショッキングに聞こえたり、頭に残るフレーズにしてるんですよね。

――次の〝男の条件〞は男臭いマイクリレーで。

 フィーチャリングにMACCHOさんとラッパ我リヤのQさんとBOYKENの三人が客演してるんですけど、MACCHOさんはこの時いくつぐらいですかね?

――2000年リリースだから22歳だね。

 それでこの貫禄とめっちゃキレキレのラップですからね。その次の〝BEAT BOXING featuring KM-MARKIT〞とも通じるんですが、若手のフックアップを積極的に行うのもジブさんの特徴で。KMMARKITさんは、ジブさんやUZIさん、DJ KEN‐BOさんとかが所属してたクルー・URBARIAN GYMに参加してる人です。

――URBARIAN GYMには、他にもOJ&STとかAKTION(真木蔵人)など様々なMCも参加していて。

 〝未来への鍵〞で客演してたAKEEMさんとか。そういう色んなラッパー達が集まって技を磨いたジムですね。

――何のビデオだっかた思い出せないんだけど、「都会の野蛮人」って掛け声をかけながらOJ&STがずっと腕立て伏せをさせられてる映像があって、ラップの練習じゃないんだ?みたいな(笑)。

 ハハハ。〝BEAT BOXING〞の次に、〝MR.DYNAMITE〞っていうZeebraさんのイメージを完全に決定付けた曲がくるんですけど、やっぱりこの曲は「奴ら」踏みですよね。どんぐらい踏んでるんかな……13踏みくらい出てきてるんじゃないでしょうか。


――インタビュ―の続きは絶賛発売中のBUBKA7月・8月合併号にて!


R-指定
大阪府出身のラッパー。高1から梅田サイファーに通いバトルやライブ活動を開始。2012年からMCバトル全国大会UMBで3連覇を成し遂げ、「フリースタイルダンジョン」の2代目ラスボスとして活躍。現在はDJ松永とCreepy Nuts として活動中。