【BUBKA10月号】エンターテインメントの行方 #01 西野亮廣
ソーシャルディスタンス、リモート、フルフレックス……コロナが日本社会に与えた変化は枚挙にいとまがない。では、エンタメの現場はどうだろうか? 窮状こそ伝わってくるものの、なかなかコロナがもたらした変化については伝わってこない。当企画では、さまざまなエンタメの識者に〝ウィズコロナのエンタメ〞がどう変わりつつあるかを取材。コロナはエンタメ界にどんな功罪をもたらしていくのか――。第一回目は、芸人、絵本作家、実業家などさまざまな顔を持つ西野亮廣氏に話を聞いた。
スナック吉本の試み
――西野さんが感じるコロナの前と後で変わったこと。挙げるとしたら何でしょうか?
西野 ひな壇に出ていた芸人でもないので、僕自身は変わっていないのですが、世間が変わったなと思います。みんながクラウドファンディングに目を付けたり、オンラインサロンに目を付けたり――、何年か前から「やっていた方がいいよ」と言っていたものを、半ば強制的にみんながやらざるを得なくなったなのかなと感じます。例えば、分かりやすく変わったことでいうと、オンラインサロンに興味を持ち始めた人が増えて、『西野亮廣エンタメ研究所』への加入者数が一気に増えたんですね。緊急事態宣言が出た後、2か月間くらいで約2万人増えました。
――そんなに! 今現在、どれくらいの方が加入されているんですか?
西野 7万人くらいいます。やっていることは変わっていないのに、世の中の人が気が付き始めたというか、時代がきたというか。人数が増えれば増えるほど、僕らはエンタメに予算を回すので、できることが増えてきています。ただ、ベースでやっていることは、そんなには変わっていないんですよ。
――7万人! ……なぜ彼ら彼女らは、このコロナ禍でオンラインサロンに加入しよう――そういった心理が働いたんでしょう?
西野 いくつか理由があると思っていて、一つは「結局一人では生きられない」ということ、それをコロナは証明したと思います。クラウドファンディングにしても、支援してもらわないとお金は集まらないし、生き残っていくことができない。ちょっと前までは、〝個〞の時代と言われていたと思うんですけど、それが終わりを告げて、〝個〞では生きられなくて、同じ意見を持った者同士が寄り添っていく……集落のような感じで生きていかないと、乗り切ることができなくなってきているのかなと。サロン加入者は、僕の発信を受け取ることにお金を払ってくださっているというのはあると思うのですが、同時に〝つながり〞を作るというところに価値を見出している感じがします。
――希薄になってしまったつながりが、コロナによって再構築され、加速しているというのは面白いですね。
西野 コロナのメッセージは、「つながらないと死ぬよ」だと思うんですよ(笑)。
ーーインタビューの続きは絶賛発売中のBUBKA10月号にて!
AKIHIRO NISHINO
1980年兵庫県生まれ。芸人、絵本作家etc。99年に梶原雄太と『キングコング』を結成。人気絶頂の2005年、「世界一面白い芸人になる」夢を叶えるため、テレビから軸足を抜いた結果「炎上芸人」などとバッシングを受けるが、絵本やビジネス書執筆など結果を出し続け、熱狂的支持を得る。オンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』は国内最大で、20年8月現在、会員数約7万人を誇る。著書に絵本『えんとつ町のプペル』、ビジネス書『新世界』などがある。全作品がベストセラーになり累計部数は100万部を突破。
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